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XTC 「APPLE VENUS vol.1」の巻(1999/03/13)

 実に7年ぶりの復活なので、嬉しくて嬉しくて発売日当日に買った。
 とはいえ、僕はXTCファンの中でも若僧の部類。XTCとの出会いは前作「NONSACH」の頃で、当時僕は高校の軽音楽部でキーボードを演奏していた。XTCはキーボードの雑誌に載っていたバンドで、しかもそのコーナーはポップス・ロック・テクノの大御所と呼ばれる人たちの歴史を辿るというものだった。その解説文を読むうちに、「聴くしか!」と思ったわけで、まあ外界の刺激を欲していた時分だったし、なんでも良かったのかもしれないが。
 ベスト盤という理由だけで買った「THE COMPACT XTC」で懐の深さを感じ、中古CD屋で見つけた「ORANGES & LEMONS」で脳天をぶち抜かれた。ポップスのあるべき姿がそこにあったからだ。いや、後付けな理由ではなく、僕自身が思っていたポップス理想形がそこにあった。
 よく考えてみるとそれは当然のことだったかも知れない。UNICORNを聴いて育った世代である。奥田民生のインタビュー記事にもXTCは登場していた。彼らもまたXTCに魅せられた経験を持つわけだから、その彼らを聴いて育った僕がルーツであるXTCにハマルのは仕方の無いことだった。
 で、高校生の僕はクラスの連中にもXTCを薦めてまわった。だが、反応は今一つだった。それも当然。XTCを知っている人は少なかったし、「NONSACH」のセールスはそれほど伸びなかった。
 日本語版「APPLE VENUS vol.1」の解説文によれば、Varginがクビを切らなかったのが不思議だった、とある。そんな裏事情は分からないが、以後彼らが7年間も潜航していたことを考えると、苦労はうかがい知ることができそうだ。
 と、長々書いたが、「APPLE VENUS vol.1」は非常に良い出来だ。アコースティックナンバーを集めたらしいが、「Skylarking」に非常に良く似ていると思う。となると、次の「vol.2」は「Oranges & Lemons」に近くなるのか?それは楽しみだ。
 余談だが、カジヒデキは嫌いだ。あいつは「Mayer Of Simpleton」をパクった。インスパイアされたんならともかく、パクりやがった。ぷんぷん。

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