戻る 音楽の日々
0
前へ

YAPOOS「ヤプーズ計画」の巻(1999/11/02)

 80年代のポップスは、パンクやロック、プログレの影響をもろに被った上にテクノが乗る、というごった煮の様相を呈していた。奇盤、迷盤の類が多く生まれた楽しい時代でもある。今の音楽業界は、その意味でバラエティに欠けていて甚だ退屈だ。刺激が弱すぎる、素直で捕らえどころのない音楽に飽きたのなら、この「ヤプーズ計画」をお勧めする。
 はっきりいって、万人に好かれるような音楽ではない。なんと言ってもボーカルが戸川純であるから、多くの人は嫌悪感を抱くに違いないだろう。だが、もしもハマってしまったならば、抜け出せないのも事実。危険な匂いをぷんぷんさせる戸川純ワールドを、強引な切り口で押しつけられるのが、このアルバムだ。
 メンバーが凄い。中原信雄を筆頭に、スタジオミュージシャンとして一流の人たちが揃いも揃っている。音楽的に見事に完成されているのだから、いくら不気味で嫌悪感を感じるように作られていても、気持ち良くて仕方ない。特にこのアルバムはヤプーズの代表曲とも言える、「バーバラ・セクサロイド」「肉屋のように」「労働慰安唱歌」「ロリータ108号」が収められている。このアルバムにハマった方には、3rdアルバムである「ダイヤルYを廻せ!」もお勧めしよう。こちらは「Men's JUNAN」「ギルガメッシュ」「赤い戦車」などが秀逸だ。

 なんか、あちこちでヤプーズを人に勧めて回っているので、もうこれ以上言いたいこともなくなった。短いけど、今回はこれで終わり!

次へ

(C)Copyright Nomura Masayuki all rights reserved.