MiAUのサイトを参考にして、「私的録音録画小委員会中間整理に関する意見」を文化庁に送った。
野村の意見が間違っている(法的に、或いは今後のインターネットの情勢的に)可能性もあるが、これまでのインターネット体験と、インターネットに求めるものを率直に書いたつもりだ。
104ページの「第30条の適用範囲からの除外」の項目について
反対します。
ストリーミングとダウンロードの定義は技術者の間でも多くの議論されているように、現時点では非常に流動的なものです。法律の性質上、時流によって定義・解釈が変わってしまう恐れのある文言を採用してはならないと考えます。また、早計な定義付けは今後の技術革新に法律が追いつかなくなり、技術革新を阻害する要因にもなります。
104ページの「i 第30条の適用範囲からの除外」の項目について
反対します。
送信可能化権で違法な送信者を罰することができる以上、ダウンロードを違法化する意義が不明です。また、ダウンロードを違法化したとして、どのように違法なダウンロードを発見し取り締まるのか、そのプロセスが不明です。現行法上では通信の秘密が認められているので、これを侵害する恐れがあり他の法律や憲法と矛盾します。
105ページの「ii 第30条の適用範囲から除外する場合の条件」の項目について
反対します。
合法か違法かの最終判断が司法に委ねられている以上、それを事前に識別するという前提が矛盾します。
また、インターネットには国内・国外の区別がありませんので、国内でしか通用しないルールを提唱することの効果は非常に限定的ですが、その限定的なルールをITリテラシの高くない国民にまでアピールしてしまうことで偏った知識を逆に広めてしまいます。更には詐欺などの犯罪の温床になり、危険です。
個人の情報発信者のコンテンツがどのように適法であると証明されるのか、そのプロセスが存在しない法律である点も問題です。これまでの法律が対応することができなかった個人の情報発信者が、インターネット上では重要なコンテンツ提供者として活躍していますが、このままでは個人の情報発信者を閉め出す法律として機能してしまいます。適法であることを証明するのに無駄な労力を必要とするならば、創作以外の不要な労力を求られない国外法に則ってコンテンツを提供する情報発信者が現れ、国益は損なわれるでしょう。