ネットでイケてるサイトとして紹介されていた、http://www.proyectiva.com/というサイトで使われているBGMが「攻殻機動隊」にしか聞こえないのは空耳だろうか。
「闇の子供たち」を観た
阪本順治監督「闇の子供たち」を観てきた。上映館数が少ないせいか、地味な映画の割にお客が入っていた。
まず酷評すると、日本人キャストがタイ人キャスト(子役含む)に負けていたなぁという印象が残った。状況や心情を説明する日本語のセリフが、なぜか単調で学芸会っぽくなってしまっていた。演出意図としては「間違ってはいけないデリケートなセリフ」だから、しっかりと聞き取れるように発音してもらったのかも知れないが、棒読みセリフのせいで日本人キャストはフィクションを演じているんだという印象を高めてしまった。
一方で、タイのキャストがすばらしかった。存在感を放ってグイグイ画面を引っ張っていく。そして子役の演技がすばらしい。この子達がトラウマにならないか心配になるような過激なシーンの連続で、この映画のフィクションを「本物」にしようとする決意みたいなものが強烈に感じられた。
映画としては万人受けするようなものではないし、違う脚本、違う演出、違うキャストならば同じテーマでもっとよい作品を作ることができたかもしれない。だが、それを踏まえた上でこの作品を映画にしようという意気込みや、実際に配給にこぎつけたことはとても素晴らしいと思った。
誰にでも勧められる映画ではないが、少しでも気になっている人には是非勧めたい映画だ。何故ならば、この映画が地上波で流れる可能性がかなり低いからだ。PG-12だからということもあるが、単純に視聴率が取れない。お茶の間でビール片手に観られる映画ではない、この映画の裏にお笑い番組が流れていたら、多分お笑い番組をみんな観るだろう。レンタルでも良いが、気持ちが折れたら多分観ずに返却してしまうだろう。普段の我々がこの問題を避けて通ってきているように、この映画を避けたくなる気持ちのほうが勝ってしまうだろうから。