職務質問されたでござるの巻

北千住駅をぼぉっと歩いていたら警官の格好をした二人組に呼び止められた。正直びびった。で、挙動不審に陥ってしまった。

その警官の格好をした一人曰く、「ポケットがたくさんあるかばんを持っている人に、十得ナイフなどを持っていないか質問しています」とのこと。そうか、君はこのかばんにポケットがたくさんあるように見えるんだ。二個しかないのに。

だが、不意を突かれてびびってしまったので、あまり反論や嫌がらせができなかった。悔しい。非常に悔しい。

わずかな勇気を絞って聞けたこととしては、警官の格好をしているが、自分が何者であるかを証明する手段はあるかと聞いたところ「ない」との明確な答え。胸に警視庁と書いてあったので「警視庁か」と聞いたら「違う、千住警察署のほうから来ました」といったので、多分詐欺だ。野村は詐欺にだまされたようだ。「私服警官は証明する手段がある」と呟いていたので、それが恐らく警察手帳のことだと思うが、なぜ制服を着ている彼らがそれを携帯していなかったのか、不思議だ。或いは見せたくなかっただけかも知れないが。ともかく、「制服で判断してくれ」と云ったので、制服で判断することにする。彼らは警官かどうか分かったもんじゃない、ってことだ。怪しい奴らめ。

あともう一つやり取りしたのは、かばんを預けて中身を確認させている間、野村はかばんから目を離してしまったので、「何か盗まなかったか?」と聞いたこと。「盗んでません」と云ったので「どうやって証明する?」と聞いたら「中身を確認すればいい」と半ば投げやりにかばんを返される。ゆっくりじっくり中身を確かめて、「疑ってごめんなさい」と大人の対応をしたところで、ちょっとだけ、本当にちょっとだけ溜飲が下がった。

全般的にはもう、悔しくて悔しくて。ぐすん。