前回の日記の最後のほうは完全に寝ながら書いていたので、「ぼくのエリ 200歳の少女」について補足。前回は必要以上にネガティブな(そして中身がない)書き方だったが、青春ものの「危険な遊び」的な空気感はオシャレで、そういうのが好きな方にはオススメできる。単に野村の趣味じゃなかったというだけで、ハリウッドリメイクとか行われるくらいには面白く観られた。ライトなホラーっぽい雰囲気で、映画から伝わる冷気(スウェーデン映画なのだから当然か)がこれからの季節にいいかも。
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日本映画、マンガが原作らしい「シーサイドモーテル」は、気軽に観られてちょっとオシャレなコメディ映画。登場人物の行動が予期せぬ形で絡み合う展開なので、観ている側を飽きさせない。こういう映画、もっとたくさん作ってよ、JAPAN。
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中島哲也監督、松たか子主演「告白」は、野村の周囲ではあまり評判が良くなかった。この監督の特徴としてストーリーを「舞台」的に演出する点があるが、本作では更にそれが押し進められて「リアルな現実を描いているふりの虚構」といった風情になっていると思った。原作未見なのだが、ストーリーはかなり飛躍していて観ているものを不安にさせる。嘘みたいなストーリーをこの映画ではリアルな演技で描き、過剰な演出でもう一度覆い隠している。一言で云うなら「やり過ぎ」で、このやり過ぎ感は確かに賛否分かれるかもなぁ、と思った。ちなみに野村はなんとなく始めから「この監督は芝居を描く」と決めてかかっていた節があって、どんな演技も演出も虚構だと決めつけて観ていたから、あまり違和感なく楽しめた。
全然関係ないが、この原作、本屋大賞取っているんですよね……。うーん。うーん。うーん。一応、読んでみるかなぁ。
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韓国映画「息もできない」はものすごい圧力で攻めてくる映画だった。韓国映画特有の貧乏と暴力の描写が、観るものの胸を押し付けてくる感じ。監督・主演のヤン・イクチュンはこれが監督デビュー作ということで、脚本の分かりやすさや映画的手法などの面に少し違和感を感じるという側面もあるが、それにつけても迫力がすんごい。深く沈み込むように、まさに息もできなくなる映画。
映画の始めから、主人公の暴力シーンが延々と続く。主人公の心理の奥をなかなか映像には描かない。なのに、家族との関係など周囲の状況から徐々に主人公の感情や思考の輪郭が見え始め、そのドン詰まり感に観客は目を背けられなくなる。映像で描かれる主人公自身に起こる変化はほんの些細なものなのに、観ている側はそれを過敏に感じ取ってしまい、もうドンドン引きずり込まれていく。これはおすすめ。
5月に借りた映画はこれくらいかな。5月は劇場で3作品ほど観ているので、印象が薄れないうちにそれらも日記に書かないと……。