8月に観た映画・アジア編

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野村の中で映像化されると裏切られるマンガ家ベスト3に入る(残り2人は決めていない)よしながふみの「大奥」を二宮和也、柴咲コウ主演で映画化した「大奥 <男女逆転>」。原作1巻の内容を忠実に再現しているあたりは評価できるが、以下の2点がどうにも気になって話に集中できなかった。ひとつは、二宮和也演じる水野が「軽い」。もう一つは柴咲コウ演じる吉宗が「軽い」。両方とも俳優から連想されるイメージに似合った演技はしていたと思うので、これは多分配役の問題。水野はもっと男っぽい角のある体格や物腰を持っていて欲しかったし、吉宗はもっと心に刀を持っていそうな重たさが欲しかった。結論としては、またしても映像化失敗と思った。

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三池崇史監督「十三人の刺客」。これがリメイクだというのをエンドロールで知った。オリジナル版もシナリオ的にはエグいらしいが、こちらもエグい。明石藩主の非道っぷり(観客に圧倒的な嫌悪感を抱かせるためなのだろう、前半は描写がかなり直接的なので注意)と、それに立ち向かうために刺客達がばっさばっさと斬り殺していく後半の長い戦闘シーンが良い。評価ポイントの大きなひとつに諸悪の権化である明石藩主を稲垣吾郎が演じている点が挙げられよう。演技が上手いかといわれると、正直どうなんだろう。だが、人の情けというものを理解できない病んだ殿様=稲垣吾郎が無表情で突っ立っている絵面がハマり過ぎていて、この配役はズルいと思った。

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キム・ギドク監督「春夏秋冬そして春」。ひたすら山奥の寺のみで話が進行する。退屈なまでに時間がゆっくり流れていくなぁ……、と思いきや事件は起こり、そこからぐぐーっとストーリーは押し進められていく、静かな中に強い力のある映画。繰り返される四季に込められた輪廻転生、生命、人の業について深く静かに問答するような映画。ある種の宗教観に基づいた作品であることは間違いないが、押し付けがましいという程もないと思うので、落ち着いて、思考の海に深く落ちてみたいと思ったときなどにぜひオススメしたい作品。折りをみて見返したい。

どうでもいいが、DVDを検索して「無修正版」とか出てきてがくっときた。そういうシーン、あるけどさ、そういう映画じゃねーよ。

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ジャッキー・チェン主演・製作総指揮の中国・韓国合作「ラスト・ソルジャー」。ジャッキー・チェンはさすが良く分かっていらっしゃる、ハリウッドばりの痛快で明瞭なアクション映画。ストーリーはコミカルで軽快、画面はしっかりしていて見応えたっぷり(ジャッキーはさすがに体動いていないし、カンフーものではないのでそこはあまり期待しないように)。で、ヒネリが少ないストーリー展開というのも残念ながらジャッキー・チェンっぽいといえばそれっぽい。ラストの展開は好き、というかこれが云いたかったんだよね、と納得した。ところでこの映画、なぜか評判をあまり聞かない。制作が中国だからかな?それとも、もうみんなジャッキー・チェンに興味ない?新作「1911」とか気にならないの?