自炊はじめました

実は我が家には書斎はおろかPCデスクがない。独身時代からこたつをメイン作業スペースとして使ってきたからだ。

だがしかし、いい加減腰より上の高さのきちんとした作業スペースを確保しないと、大人としてどうかと思われる。

PCデスクを買おう。

そこで、自炊である。

なんつったって、PCデスクを置くためのスペースがないのだ。マンガも含め、我が家の本はすでに本棚には収まっていない。買ってきた本は基本的にもう床に積むしかないのだ。検索性は最悪。保存状況も悪化の一途をたどる。痛む、汚れる、読んだかどうかすら忘れる。最後のは本の管理とは関係がないが。

その点、電子化されてしまえば。PDFなら、タイトル順にきれいに並んでくれるし、これ以上痛まないし。

唯一、本をきれいに読み取るために裁断せねばならない点が心苦しい。だが、じゃあ今の保存状況はどうなのだ。きれいに裁断してあげたほうがいっそのこと……。

というわけで、いわゆる自炊派の人たち御用達のページスキャナ、ScanSnap S1500を購入した。さすがはページスキャナ、はやいはやーい。読むのにあんなに苦労した技術書たちが、あっという間にPDF化されていく。

ただ、出来上がりにはあまり満足していない。さすがに「スキャニングしましたよー」という質感はどうしようもないし、日本語OCRだっていくら性能が上がっているとはいえ100%なわけがない。特にプログラムの本は日本語と英語が入り交じるから酷い。肝心のプログラムの部分は空白含めて本来ならば一文字だって間違って欲しくないのに。それこそ、折角の電子化なのに。

電子書籍の流通に関しては未だ誰しもが暗中模索だが、技術的にはもう何年も前に確立されているんだから、もどかしいったらありゃしない。消費者視点でぶっちゃければ、単に意地悪されているだけにしか思えない。もう21世紀だぜ、おい。

……などと愚痴をいいながら、せっせと本を裁断する日々が続いている。ベストプラクティスじゃないと分かっているのに、裁断する。この無駄さ加減。あぁ、21世紀。