これからのFlashについての雑感(1)

先日、Adobe主催のFLASH MEETUPというイベントが行われ、野村も参加してきた。これが、Flashの開発チームと200人強のFlash開発者たちの質疑応答が4時間にも渡って繰り広げられるという、なかなかにアツいイベントであった。

で、そこで話さていれた内容などをもとに、久々に妄想全開で私見を書いてみることにする。

まずは「モバイル環境のブラウザ向けFlash Playerはもう作らない」という件。そう、先月来、Flash業界はもちろんHTML界隈の方たちまでもがざわざわっとなった、あの件について。

「スマホだとWebじゃなくてアプリですよね」というAdobeの弁も理解できるが、今となって考えるとモバイルブラウザにプラグインを載せるという、アプリの機能をプラグインで建て増しするという発想自体が噛み合っていないな、と思う。なので、これは仕方の無いことだろう。

一方で、PCブラウザ向けのFlash Playerはまだまだ終わらないわけで。正直それもどうなのだろう、プラグインという文化はいつまで続くんだろうか。ブラウザはOSじゃないのだから、ある程度のところで限界はくるんじゃないかと思う。少なくともあと2年くらいはなんとかなってくれるとは思うが、次世代OSが登場してもまだプラグインの文化が残るとは断言できないんじゃなかろうか。

次に進化の方向性について。

現在のFlash Playerの強化方向は「Gaming & Advanced Video」だそうだ。Adobeは「それだけに特化するという意味ではない」とも云っているが、さりとてゲームとビデオ以外の特定分野のための特別な何かを用意している、というわけでもない。「ゲームとビデオみたいな高いパフォーマンスが求められる分野で戦えるレベルにするから、みんなゲーム以外のことにもその力を使ってね♪」と。だが、ゲームなどという分かりやすいメッセージを発信してしまっていることを考えると、ここはAdobeさんには「違う使い方もあるよ!」というメッセージも宣伝して欲しいところ。そのためには恐らく事例が必要だ。つまりニワトリが先か、タマゴが先か。うーむ、とにかく開発者たちよ、頑張ってくれ。はい、頑張ります。

新しい技術の話をすると、現行のFlash Player 11の目玉機能である Stage 3Dとか、AIR 3の目玉機能であるNative Extensionとか、さらには次期Flash PlayerからはAlchemy 2(C/C++で書かれたコードをFlash Player内で動かす技術)も搭載されるとか。どれもこれも、これまでのActionScript3.0の枠を超えちゃっている。市販の乗用車とレース仕様車くらい違う。

つまり、パフォーマンスは圧倒的に高くなるが、扱いづらさもこれまでの比ではない。

AS3.0を必死に覚えましたレベルのドライバーでは、ライブラリ等でレース仕様車に由来するなにがしかの恩恵は受けられても、残念ながらレース仕様車自体には乗れない(かくいう野村も、このレース仕様車を乗りこなせる自信は無い。頑張って乗るつもりだが、大ケガしたとしても誰も骨すら拾ってくれないだろう、……おっかない世界じゃよ……)。

当然、そんなスペックは求めていない、高速道路には乗らずに一般道を走るドライバーだってたくさんいることだろう。こちらはこちらでこれまで同様、価格競争のただ中で頑張っていただくしかない。今後は技術者も減ると思う(HTML5へ移行していく)が、案件も減る(同様にHTML5へ……)だろうし単価は下がることはあっても上がることはないからだ。

長くなりそうなので、一旦ここで休止。