そういや、このところ観た映画の話を書いていなかった。一気に書くよー。
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ブラッド・ピット主演「マネーボール」がレンタル開始された。時が経つのは早いなぁ。野球に詳しくなくても、スポ根の代名詞のような野球の世界で「根性論」を唱えない経済学の理論を応用して勝ち上がっていく(のか?)という爽快なストーリーには溜飲が下がるものと思う。野球好きな人でも、大リーグの大味すぎる野球に対して異を唱えるようで痛快だとは思わないかい?某番組のアッパレの方とか、さ。敢えて「熱い漢のドラマ」としておすすめ。
マーティン・ スコセッシ監督「ヒューゴの不思議な発明」。masterImageという形式の3Dで鑑賞してきたが、メガネは軽いし画面は明るいし、なんで今までXpanDなんかで観ていたんだろう。「まぁ奥様、聞きまして?あの映画館はXpanDらしいですわよ、クスクス」。「お父さん!恥ずかしいからもうXpanDで観ておいて『3D映画なんか観るもんじゃ無いな』とか、余所で言わないでよ!」。みたいな。
映画の内容はまあまあ面白かったんだが、駅で働く脇役の人たちのエピソードとか、主人公ヒューゴの心象の掘り下げかたとかには違和感を覚えた。一言で言うとメインのお話以外がしょぼい。それでも3Dを含めた映画としての美しさは素晴らしい。今年のアカデミー賞で主要じゃない賞を取っただけのことはある。逆に、映画館で観ないと心に刺さらないかも知れない、これから観る人は過度の期待はしないほうが吉かと思う。
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」は助演男優賞ノミネートどまりだった。これは9.11、すなわち海の向こうのアメリカ合衆国の問題だから、日本から観たときの印象というのはどうしても弱まっているとは思う。それでも、涙腺が弱い人はタオルを用意すべき。ネタバレするとね、トム・ハンクス演じるお父さんね、9.11で死んじゃうから。あ、ネタバレじゃなくて予備知識だった。
この映画のいいところは、この「失ったものと残されたもの」という物語のテーマからブレないところ。普通のハリウッド理論なら色々盛り込みたくなるところを、(例によって未見だが原作に忠実なのだろうか?)テーマを絞っていて真摯だなぁ、と思った。例えば9.11の再評価とか、そういう政治的な、あるいは正義的な視点がもしも入っていたら大変なことになっていただろう。そういうのはないので、これから先にレンタルでの鑑賞予定の方は安心してタオルの準備を。
阿部寛主演「麒麟の翼」。TVドラマ「新参者」の続編的な作品なので見過ごした方はTV放映時で大丈夫じゃ無いかと。それなりにヒットしたようなのでTVシリーズのファンは映画館に行ったんじゃなかろうか。その意味でもうTV放映時で大丈夫かな、と。ファン的には十分楽しめたが、もっと映画として、映画的な跳躍があればなぁ。