ノマドできるほど喫茶店は空いていない

正しいノマドの例(個人の能力差があります)

そもそも平日だろうと休日だろうと、都心では座れる席が残っている喫茶店を探すことは非常に困難だ。ノマドを気取ろうが、苦学生だろうが、有閑マダムだろうが、コーヒー一杯の料金で座れる席を奪い合い殺し合い騙し合い泣き叫んでいる、都心の喫茶店は戦場なのだ。

正確には、戦場なのはチェーン店展開している喫茶店で、昔ながらの個人経営の喫茶店は空いている可能性が高い。だが、そういう店は大変失礼ながら一見で入りづらく、また雰囲気やコーヒーの味などを真摯に楽しむ場所と位置づけられていることもあって、そういう店ではドヤリング(添付写真のようにPCを広げる行為)をするのはタブーであると考えている。

値段が高ければ客足は減るだろうか。確かに100円でコーヒーが飲めるマクドナルドは、安すぎて小学生からお年寄りまでが殺到してしまって論外である。そして飲み物1杯=座席1席分が300円前後の喫茶店が上記のような状態だ。その上の価格帯となると、今度は一杯=1席=800円前後の高級喫茶店、またはホテルのロビーのようなところになるだろうか。だが、時間帯によってはこの値段帯の店でも座れないのだから、東京というのは恐ろしいところだ。

コワーキングスペースを使うという手もある。この話の流れで表現するならば会員制の喫茶スペースだ(それ以外の側面についてはひとまず置いておく。今日は喫茶店の話がしたいんだ)。いつも同じ喫茶スペースを使うならばこれは便利だと思うが、喫茶難民になって困るのは土地勘がないときのほうが多い。普段あまり訪れないエリアで、不意にまとまった時間を潰さなければならなくなったとき、ただ単純に座りたいだけでも場所が見つからないのが東京なのだ。

更に、昨今は諸般の事情により公共スペースにはベンチがない。地べたに座ると怒られる。足はガクガク、喉はカラカラ、街はキラキラ、夢はボロボロ、帰りたい、帰れない、君はダレ、僕はどこ、西も東も大迷惑。

極論するならば、都心をうろついている人々は、みんな迷子のようなもんだ。みんな、早く家に帰ろうよ。