VRに感動した

ここまでの日記で、そこそこの金額と労力を費やしてOculus RiftによるVR環境を構築したことを書いた。そう、安くないんだ。なので、この買い物の結果、一体どんな知見や感動が手に入ったのかはとても重要なのだ。

Oculus Rift、というかVRのファーストインプレッションは「やべぇ時代が来ちまったぜ」だった。……みんなそういうよね、はい。

もうちょっと自分なりに掘り下げてみる。

まず驚いたのは、ぐるり水平方向の前後左右360°が描かれていることよりも、天地、特に足下が描かれていることのインパクトだった。Oculus Riftの初回起動時に出てくるデモコンテンツの中に高層建造物の上の鉄骨から街を見下ろすというデモがあって、足下の更に下をのぞき込むことができた。頭を動かすとちゃんとのぞき込めるのだ。深淵を覗くならば、……いやそうじゃなくて。カメラの映像からでは見えないもの、隠れていたもの、横側や裏側に回り込める感覚はとても新鮮だ。

3D映画は「視点」を立体視するものだ。監督が意図した視点、画角とフォーカスを観客は強制される。飛び出てくるものをみているのは監督であり、装置を介してそれを共有している。それに対してVRは、少なくとも視点に関しては観客の自由になる。みたいと思ったところをみることができる。俯瞰してもいいし、みたいものだけに寄って見てもいい。

昨今のオープンワールド型のゲームにおいてストーリー上どうしてもユーザーに見てもらう必要があるシーンでは、カメラはコントロールされなければならないため、「イベントシーン」として通常のゲーム画面と区別される。この、「コントロールを奪う状態」をVRではどうやって実装するのだろうか。ゲーム作者側の腕の見せ所となるだろう。

例えばゲーム内で「映像」をみているなどの「見立て」をするか、ユーザーが乗り物に乗っていて「正面」を見ざるを得なくするか。いずれにせよ、ユーザーの目を奪い取れない以上は、ユーザーに「こっちを見て!」とお願いすることになるのだろう。

正面といえば。ビックリするほど自分が向いている方向が分からなくなる。ゲームを終えてOculus Riftのホーム画面に戻ったり、Oculus Riftを外してみると、PCのディスプレイに対してまっすぐ立っていたつもりが斜めになっていたりする。流石に後ろを向いているということはないが。

恐らく、微妙に現実の向きとVR上の向きがズレていくのだろう。そのせいなのか、これまた微妙に体が宙に浮いているというか、目の高さがずれている気もする。これらはチューニングで解決できるのか、またはVRの限界なのか……。3Dメガネとは全然違って、体が持っていかれる感じがするのだ。

そしてVR酔いである。普段から乗り物に弱いせいなのか、やはり酔う。これは辛い。目線を逸らせられないのだ。映画館の3Dメガネは、疲れたら外したり目を逸らせばいい。だが、VRはずっと眼球の前に映像が出ている。下を向いても地面が仮想空間なのだと脳の何処かが気づいてしまって、ゾゾっとくるのだ。

VR酔いについては様々な研究がされているようだが、まだ確実な原因や対策の発見には至っていないようなので、これからの研究に期待したい。

まぁともかく。VRでMinecraftの世界に入ったときの感動はとても大きく、VRってスゲーというとてもチープな感想でしか日記をまとめられない自分がちっぽけにみえるのですよ。

ところでVR専用のエッチなゲームが出るようなのですが、経費で落ちますかね。