ゲームを消化したい

「暇になったらやるリスト」がゲーム以外に山積みなので、本当にやりたいゲームは「暇じゃなくてもやるリスト」に入れないといけない。人生のスケジューリングに失敗している。またはどうにかしてマルチタスク人間になる必要があるが、そうすると自分Aよりも自分Bのやっていることが楽しそうで自分Aが怒り出す、という事態が。こんな話を藤子不二雄の漫画で読んだ気がする(多分ドラえもん)。

DETROIT: BECOME HUMAN

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Quantic Dreamの最新作、DETROIT: BECOME HUMANをとりあえず一周目終了。UIがカッコイイということで普段ゲームをやらない層でも話題になっているらしいが、そんな理由でいいのでまあプレイして欲しいゲームだ。

で、一周目終了したのだが、自分が観たストーリーを人に教えたくない。何故ならば、このゲームは分岐が多い上に正解がない。他の人がプレイしたら違うストーリーになっているはずで(もちろん大筋は変わらないと思うが)、しかも自分が選んだ選択のせいで知ることができなくなった伏線や謎もあって、他人とこのゲームの話がしたいのに話ができないじゃないか!フラストレーション!

例えば、これは多くのところでネタバレされているがメニュー画面に登場するアンドロイド「クロエ」も本編に絡んでくる上に、「初めてチューリング・テストに合格したアンドロイド」(Wikipedia)というあたりで、「チューリング・テストに合格ってことはつまり、え?え?」みたいな。スタートボタン押してからメニュー画面出ている間にちょっとトイレ行ってくるわ、みたいなこともできない。

その大筋の話をすると、アンドロイドと人間の区別が付かなくなったらどうなりますか、という話。「ブレードランナー」 + Quantic Dreamらしい人の心理にこだわったストーリーとなっている。映画のようにぼおっと観ていたいのに、操作を迫られるから困る(そして嬉しい)。

早く二周目やりたいが、それ以外にやらねばならないゲームが。というかゲーム以外ががが。

LIFE IS STRANGE: Before the Storm

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ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム」(カタカナで書くとむっちゃかっこ悪い)は「LIFE IS STRANGE」の外伝。

外伝なので本編よりも長くはないし、本編のファンにとっては本編に登場する登場人物があちこちに出てくるボーナスコンテンツくらいな感じではある。ただ、今からプレイする人がいるならば、どっちからやってもいいかなーとは思う。それくらい、単体でも成り立つように丁寧に作られていたと思う。

一貫して、思春期の心の痛みや人生の選択についての話ではあるが、本作品ではもう一つ「人生は舞台」「誰のために嘘をつくのか」というテーマがあり、これもまたある意味で人生の選択だよなぁ、と思う。薬物描写が出てくるためにCEROが「D」だが、リアル10代がプレイするよりもおっさんおばさんになってからプレイしたほうが、主人公を見守る大人たちの視点も持てて楽しめる気がする。

「日本語版」について

「LIFE IS STRANGE: Before the Storm」(以下、「LiS:BtS」)は結構前にSteamで英語(つまり全世界バージョンの)PC版を購入だけしておいて、やがて日本語吹き替え音声が追加ダウンロードになるまで、と放置していた。

「DETROIT: BECOME HUMAN」が終わった直後にPS4を何気なく操作してオンラインショップに行ったらば、PS4版がちょうど配信開始されていた。「あれ?もしかして日本語吹き替え版が完成したってことか?」と慌ててSteamを観てみると、なんとPS4版発売と同じ日にSteamの日本語吹き替えも配信されているではないか!ということで速攻ダウンロード&プレイ開始となった。

「LiS:BtS」は全世界発売元がスクウェア・エニックスだし、前作も国内販売版があり、発売前から「日本語吹き替え作っているよ!」と公式アナウンスが早々にあったので吹き替えが終わるのを待つことができた。だが、これは結構メーカーが「頑張った」対応で、一ゲーマーとしては感謝しかないのである。

「わざわざ日本語に翻訳する」という作業にコストをかけるからにはそれだけ「日本語版なら買う」というユーザーの数が必要になる。しかも「日本語版にするために先に買う」人はいないのだから、この翻訳作業は先行投資になる。翻訳だけではなく吹き替えも、となると声優が必要となるので更にコスト増だ。

翻訳の質にしてもいくつもの選択肢がある。専門チームを作る、外部の翻訳サービスを使う、「機械翻訳」を噛ますだけの場合もあれば、最悪ファンが作った翻訳を使うという選択肢さえあるが、それでも翻訳コストは無料にはならない。なぜなら、わざわざ「英語を日本語に差し替える」作業が発生するからだ。

本作、「LiS:BtS」の日本語吹き替えは見事なできばえだが、それでもPC版では音声のズレなど不自然な箇所はいくつかあった。そもそも翻訳は、音声であっても文字であっても、元々の英語と吹き替えの日本語の長さが違うから、単に差し替えるだけではなくて詰めたり伸ばしたりしないとおかしなことになる。ゲームの場合はさらに条件分岐で表現が変わる可能性があるので、作業量が増える。

世界の面白いゲームを日本語でプレイしたければ、日本語でプレイしたいユーザーがここにいるぞ!ということを発信しなければならない。さもなくば、頑張って英語を覚えるしかない。ゲームに限らず他のものでもそうなのだが。