ストレージを空けたいんだ

その昔はさぁ、ハードディスクってものがあるらしいよ、とかさぁ。遂にハードディスクが1GBの領域に到達したらしいよ、とかさぁ。

などというインターネット老人会、そもそもインターネットがまだ研究者のものだった頃の話はさておいて。

メインマシンのストレージをどこまで大きくするのか問題である。

減っていく一方の空き容量に対して、青天井に増やしていけば解決なのかというと、これがそうでもない。ストレージがクラッシュしたとき、またはマシンがクラッシュしたときにどうリカバリするのか。バックアップを使って代替機を立ち上げようと思っても、その代替機のストレージが小さいと欲しいデータの容量には足りていたとしてもバックアップ自体が復元できない。だからマシンを買い替える際にストレージを大きくするのには抵抗がある。

というわけでこの1〜2ヶ月くらいずっとストレージを空ける作戦を練っている。断捨離やらこんまり的なものにあまり興味はないが、ストレージを空けるには基本ひとつの手段しかない。すなわち「不要なものを捨てる」。

しかし、不要なものを決められないからこそどんどんストレージが圧迫されていくのだ。まずは不要なものを不要であると認めるところから始めなければならない。

試しに入れてみた程度のアプリは潔く捨てる。ドライバの類ならともかく、大した動機もなくインストールしたアプリは、どうせ次に立ち上げる時にはバージョンアップしていて最新版をダウンロードしなおす羽目になる。ならば使う時にまたダウンロードすればいい。例えば半年使わなかったらもうそのバージョンのアプリは要らないんじゃなかろうか。1年ならまず間違く。確定申告の電子申告作業でさえ、毎年必ず最新版のインストール作業から始まっているではないか。いや、確定申告関連のアプリこそ設定がめんどくさいのでアンインストールしたくないのだが。ともかく確定申告よりも起動頻度が低いアプリは不要である。

「入手できなくなったときのために取っておいたアプリ」というのも、数年経って冷静に見回すともっと便利なアプリが出ていたり、そもそもそのアプリで行なっていた作業自体が要らないということも多い。ファイラとかアーカイバとか、なんであんなにたくさん出回っていたのだろう。……いかん、そんなことを考えるとインターネット老人会からお誘いがきてしまう。

Xcodeが溜め込んでいる古いiOS関連のファイルやバックアップなども捨てた。必要になる場面がもしも出てきたら……、と思って残してみたが一向に出番はなかった。また最近の傾向として「サポートされていないバージョンのOSについては対応しない」という原則がクライアントと合意できることが非常に増えたように思う。野村がそもそもアプリ開発をメインの仕事にしていないのと、クライアントの特性によるところも大きいとは思うが、それが時代の潮流であるようにも感じられる。同様にAndroidも、古いOSに関連するファイルを常に持っている必要はないので削除した。

ドキュメントや作業ファイルなどのデータの要・不要はどう判断するか。

まず「終わった仕事」のデータはセキュリティの観点からストレージにホットスタンバイさせておくべきではない(もちろん破棄すべきデータは破棄した上での話)。事故が起こっては困るので、なるべく早くストレージから引き上げる。「終わったけれどもまだ参照したい仕事」や長期にわたっている仕事は、まず契約単位など時系列で分類して、契約が終わったものは一旦データを引き上げてしまった方が掃除がしやすい。契約終了後にも残しておく必要があるデータ、すなわち現在の契約で使うデータをまた現在の作業フォルダに入れ直す。このように、過去のデータは必要な時に簡単にストレージに入れ直せるようにしておければ良いのではないかと考えている。問題はデータを引き上げる先だ。

データのバックアップはまずDVD-Rメディアに焼いている。どうやらこの手のメディアの耐用年数は10年程度だと思っていた方がよいらしい。10年は短いようにも感じるがこれでもハードディスクやSSD、USBメモリよりは長期保存に適しているのだから仕方ない。で、終わったけれどもまだ参照したいようなデータがDVD-Rメディアだけに入っていると、外出先などですぐに参照できなくて困ることがある。この不安から、ついついストレージに不要なデータをたくさん残しっぱなしにしてしまう。

アプリと同じように、データは必要なときになったらダウンロードすればいいのではないか。つまり、オンラインストレージを使えば良いのではないか。

データをオンラインストレージにおくにはセキュリティの不安がある。そもそも契約上オンラインストレージが利用できない案件もある。とはいえ、例えば「念のため取っておいているデータ」を外付けストレージに入れて持ち歩いたら、今度はそのストレージの故障や紛失が怖い。そう考えると下手なモバイルストレージよりも適正に運用できているオンラインストレージのほうが安全じゃないだろうか。

そんあわけで、今更ながらG Suiteの契約をすることにした。これまで無料のGoogleドライブは使っていたが、無料サービスは有料サービスに比べて、サービス運営側の匙加減でデータを消されてしまう(アカウントを凍結されてしまう)可能性があるし、そもそも15GBの容量ではデータのバックアップ先として足りない。そこで、G Suiteだ。

証明書やパスワード、ログのようなファイルは例外として、移動できそうなファイルはオンラインストレージに退避させることができるのではないか、と考えてぼちぼちファイルを移動させている。手始めにプライベートな実験ファイルなどから。それでも結構な量のデータがストレージに入ったままになっていてびっくりした。2000年のファイルって、何に使うんだよ。このインターネット老人会め。

そんなこんなで何もしないのに比べて40〜50GB程度は空き容量が増えた。ほかにもシステム関連のごみファイルが、何回もOSをアップデートしたりマシンを引っ越したりしているせいで大量にたまっているような気がするが、これを消すにはOSのクリーンインストールがひつようということで、流石にそれはめんどくさい。ひとまずジリ貧な状態乗り切ったからヨシ。