「オペラ座の怪人」を観る

昔、劇団四季の「オペラ座の怪人」を観に行き(会員の人から安く譲ってもらった)、当時通っていた学校のコネで舞台装置や稽古場を見学させてもらい、あまつさえ友達から劇団四季版のCDを借りてカセットにダビングし(最近では違法コピーと呼ばれるらしい)擦り切れるくらい聴いたりした。ミュージカルや舞台が特別好きなわけではないが、「オペラ座の怪人」だけは妙にはまってしまったのだ。

そんな思い出のミュージカルを、作曲したアンドリュー・ロイド・ウェーバー本人が映画にしちまったとなれば観に行かないわけはない。で、観に行った。

なるほど。納得。ミュージカルをそのまんま、ド派手に映画化したという直球勝負の作品。ミュージカルを観たことのない人には恐らく唐突過ぎて大げさすぎて落ち着かない作品だろうが、舞台を先に観ていれば「あぁ、この迫力!」と感動しまくりである。

観客の半分はミュージカルファンなのではないだろうか。平均年齢はものすごく高い上に、普段映画館ではなかなか見かけない女性同士の組み合わせのグループ(着ているものもやや特徴アリ)が、「バトラー(怪人役)の声、最高!」とか「マスカレード(第2幕のオープニングを飾る仮面舞踏会)のシーンで拍手したくなっちゃった!」とか言っているのであるから、間違いなく普通の映画ではない。

というわけで、それでも観たいと思った方にはお勧めの映画「オペラ座の怪人」。DVDで観たら多分、日曜の夜にNHK教育の「芸術への招待」を観るよりも遥かに空しいので、ぜひ劇場へ。