音楽と書籍のデジタル化はちょっと違う

音楽コンテンツと書籍についてちょっと考えてみた。

音楽については、CDは売れなくなってダウンロード購入が(一応)一般化した。この変化の原因のひとつには、ポータブル再生機器(iPodやケータイ)の普及があると思う。ポータブル再生機器で音楽を楽しむ人にとってみれば、コンテンツは最終的にこれらの再生機器に対応するフォーマットへと「加工」されてしまう。つまりCDという物理メディアはコンテンツ運搬用の単なるコンテナに過ぎない。

もっといえば、CDはそれ単体で音を発することができない。何か再生機器がないと機能しないメディアだ。

一方で書籍は、物理的な紙媒体での販売はすなわちアウトプット自体の販売だ。そこから更にひと手間加えなければコンテンツとして機能しないCDとは違う。

音楽のダウンロード販売は、コンテンツ運搬用のコンテナが変化したものだったのではないか。その着地点は、実はCDとさほど変わっていないのではないか。一方で、書籍の電子化はコンテンツのアウトプット自体を変化させている。まずコンポやポータブル再生機器の提案が始まっている、という段階なのだ。

iPadすげーとかKindleすげーと云われているが、それらが今後どんどん変化していく可能性の方が高いわけで。物理的な形、マン-マシン-インターフェースとして、完成形だと自信を持って云える人の方が少ないんじゃなかろうか。

なので、書籍の電子化と音楽のダウンロード販売は、似ているけれどもまだちょっと違うよなー、と思った。