2011

2011-09-05 8月に観た映画・短縮バージョン

現実世界でテンパっているので、とりあえず、何を観たのかだけメモ。

「アンストッパブル」。物語内の経過時間がだらだらと長くないので、思ったより面白かった。内容は想像通り、というか一応「事実に基づいた」ということで、ハッピーエンドが待っていることは既にネタバレされていたし。

「グリーン・ホーネット」。こういうヒーローが生まれるまでを描くヒーローもの、面白い。主人公がホントにダメでイヤなヤツで笑える。

「RED/レッド」。「ナイト&デイ」の主人公をイケメンのトム・クルーズからおっさん臭でおなじみのブルース・ウィリスに替えたら、途端にバカ度が増しました。

「GAMER」。記憶に残らない。なんで借りたのかも忘れた。ところで、押井守監督の「アヴァロン」って映画があってですね……(野村はかなり「アヴァロン」が好きらしい)。

「塔の上のラプンツェル」。基本的にディズニーは嫌いだが、これは面白い。かなり現代的な女性像の主人公、ラプンツェルのおてんばっぷりが「シュレック」からの逆インスパイア状態で笑える。

そして「コクリコ坂から」。宮崎吾朗監督は経歴を語るときにこの作品の名前だけを挙げるべきだね。この前たまたま雑誌の記事で知ったのだが、ジェームス・キャメロン監督のデビュー作は「ターミネーター」じゃなくて「殺人魚フライングキラー」という作品らしいので。

tags: マンガ・アニメ


2011-08-22 8月に観た映画・アジア編

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野村の中で映像化されると裏切られるマンガ家ベスト3に入る(残り2人は決めていない)よしながふみの「大奥」を二宮和也、柴咲コウ主演で映画化した「大奥 <男女逆転>」。原作1巻の内容を忠実に再現しているあたりは評価できるが、以下の2点がどうにも気になって話に集中できなかった。ひとつは、二宮和也演じる水野が「軽い」。もう一つは柴咲コウ演じる吉宗が「軽い」。両方とも俳優から連想されるイメージに似合った演技はしていたと思うので、これは多分配役の問題。水野はもっと男っぽい角のある体格や物腰を持っていて欲しかったし、吉宗はもっと心に刀を持っていそうな重たさが欲しかった。結論としては、またしても映像化失敗と思った。

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三池崇史監督「十三人の刺客」。これがリメイクだというのをエンドロールで知った。オリジナル版もシナリオ的にはエグいらしいが、こちらもエグい。明石藩主の非道っぷり(観客に圧倒的な嫌悪感を抱かせるためなのだろう、前半は描写がかなり直接的なので注意)と、それに立ち向かうために刺客達がばっさばっさと斬り殺していく後半の長い戦闘シーンが良い。評価ポイントの大きなひとつに諸悪の権化である明石藩主を稲垣吾郎が演じている点が挙げられよう。演技が上手いかといわれると、正直どうなんだろう。だが、人の情けというものを理解できない病んだ殿様=稲垣吾郎が無表情で突っ立っている絵面がハマり過ぎていて、この配役はズルいと思った。

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キム・ギドク監督「春夏秋冬そして春」。ひたすら山奥の寺のみで話が進行する。退屈なまでに時間がゆっくり流れていくなぁ……、と思いきや事件は起こり、そこからぐぐーっとストーリーは押し進められていく、静かな中に強い力のある映画。繰り返される四季に込められた輪廻転生、生命、人の業について深く静かに問答するような映画。ある種の宗教観に基づいた作品であることは間違いないが、押し付けがましいという程もないと思うので、落ち着いて、思考の海に深く落ちてみたいと思ったときなどにぜひオススメしたい作品。折りをみて見返したい。

どうでもいいが、DVDを検索して「無修正版」とか出てきてがくっときた。そういうシーン、あるけどさ、そういう映画じゃねーよ。

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ジャッキー・チェン主演・製作総指揮の中国・韓国合作「ラスト・ソルジャー」。ジャッキー・チェンはさすが良く分かっていらっしゃる、ハリウッドばりの痛快で明瞭なアクション映画。ストーリーはコミカルで軽快、画面はしっかりしていて見応えたっぷり(ジャッキーはさすがに体動いていないし、カンフーものではないのでそこはあまり期待しないように)。で、ヒネリが少ないストーリー展開というのも残念ながらジャッキー・チェンっぽいといえばそれっぽい。ラストの展開は好き、というかこれが云いたかったんだよね、と納得した。ところでこの映画、なぜか評判をあまり聞かない。制作が中国だからかな?それとも、もうみんなジャッキー・チェンに興味ない?新作「1911」とか気にならないの?

tags: マンガ・アニメ


2011-07-27 今月観てしまった映画・洋画編

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シルヴァン・ショメ監督「ベルヴィル・ランデブー」。独特の絵柄のアニメ。動きがとても気持ちいいし、テンポも素敵。もうね、オシャレで笑えて可愛くて惚れちゃうぅぅ。野村は「イリュージョニスト」を観た後でこの前作に戻ったのだが、なぜもっと早くにこのアニメに出会わなかったのか、後悔するくらいに素晴らしい。……とはいえ全体的に説明的な表現が少ないストーリー展開なので、あくまで受動的に作品を観るタイプの人にはきついかも。

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ザック・スナイダー監督が何故かCGアニメを撮ったという「ガフールの伝説」。フクロウが「300」やっているよ!それはともかく、ちゃんとキッズアニメになっていて、子供が冒険する物語だし、勧善懲悪だし、ハッピーエンドだし。ただし、絵はスゴいがストーリーでは驚けない、いい意味でも悪い意味でも視聴者を裏切ってくれない。これ作っているウラで「エンジェル・ウォーズ」作っている辺りが、やっぱりどことなく押井守監督を連想してしまうのだが……。現在「スーパーマン」の新シリーズを制作中らしいので、とりあえずそちらに期待。

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「瞳の奥の秘密」。これは良質なサスペンス映画。登場人物の心理描写や全体の雰囲気が、観るものに覚悟というか駆け引きを要求してくる。主人公がおっさんなので絵面として耐えられるか心配だったが(失礼な話だ!)、むしろ哀愁漂うおっさんとおばさんの雰囲気に引きずり込まれていく。おっさん、素敵やん。

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「フローズン」。お金かかっていない感たっぷりのB級パニック映画。伏線はないし、ストーリーは間延びしているというガッカリ映画なのに、なのに怖い!悔しい!ただ単純に怖がりたいときにオススメ。しかもただのビックリ箱なので、一度観たら二度とビックリできない。

あと、劇場で「ハリーポッターと死の秘宝Part2」を3Dで観てきた。3Dで観る必要なかったように感じたが、これについてはもう少し自分の考えをまとめてみるとして、映画そのものは完結編にふさわしい盛り上がる内容。シリーズを何作かでも観ていたら観たほうがいい。単体として考えたら、もちろん中身の薄い映画ということになってしまうだろうが、「ハリーポッターってこういう作品だよー」というパブリックイメージを崩さないように気を遣った完結編なんじゃないかなと思った。もっと作品に思い入れがある人だと違う感想を持ったかも知れないが。

tags: マンガ・アニメ


2011-07-23 トラックパッドのスクロール向きが逆になった

Appleから新しいバージョンのOSが発表され、Mac OS 10.7(Lion)からトラックパッドで縦スクロールをさせるときのジェスチャーの向きが、それまでと逆になった。

上方向に向かってスクロールさせたいときに、これまでは上から下に「下方向に」なぞっていたが、新しいバージョンのOSの設定、その名も「ナチュラル」にすると下から上に「上方向に」なぞらなくてはならない。

文章で書いてみるとその違和感がはっきりするかと思って書いてみた。確かに、今までがおかしかった。

画面を縦方向にスクロールさせたいという欲求は、Webページなど文章主体の情報を閲覧するにあたっては特に高まる。だから、マウスにホイールが搭載されたときに皆が好意的に受け止め、爆発的スピードで普及したのだ。このホイールが採用したジェスチャーが、下を見たいとき=情報を「上方向に」スクロールさせたいときはホイールを上から下に「下方向に」回すというものだった。

今考えてみると、これは形状がホイールだったから直感的に理解できたのじゃなかろうか。ホイールの、マウスに隠れて見えない部分があたかもホイールの下に置かれた紙を捉えて、その紙を下から上にぐいっと動かしているかのようには思えないだろうか。

それがいつしか時代が流れ、ホイールが平面になり、ホイールで行っていたジェスチャーを模倣するように平面になったパッドの上を上から下になぞるようになった。もうホイールじゃないのに。

冷静に考えてみれば、パッドが紙だと思えば、下のほうをみたければ紙を上に上げる、下から上に「上方向に」動かすのは理に適ったジェスチャーといえる。

まぁ、それまで培われてきたものをあっさりと捨て去られて、既存のジェスチャーに慣れ親しんだ多くのユーザーが「なんじゃそりゃぁああ」とちゃぶ台ひっくり返したくなる気持ちは分かるし、自分もまだ全然慣れないが、まぁそのホイールにしたってたかだか十数年の歴史しか無いわけで。進化の早いコンピュータなるものを触って一喜一憂している間は、こんなこといくらでも起こるんだろうね。

tags: PC


2011-07-21 今月観てしまった映画:邦画編

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満島ひかり主演、その夫の石井裕也監督による「川の底からこんにちは」。西原理恵子の描くような田舎の情景に、かなりポジティブで逆回転な反骨精神をテイストとして加えたコメディ。嫌味を垂れる上司、下ネタ満載の田舎の人々など古くさいステレオタイプな表現も多々あったり、コメディらしいご都合主義な展開満載なので好みは分かれると思う。だが、このヒロイン像は新鮮に感じられたし、20世紀から繰り返されたような王道ストーリーの中にも、ちゃんと現代が配合されていて妙な納得感も得られたりした。これ、好きかも。

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「死刑台のエレベーター」。よりにもよって、元ネタのルイ・マル監督のほうの「死刑台のエレベーター」は未見というていたらく(たった今、予約リストに入れた)。で、この日本版の見所はどこか。冒頭の間抜けシーケンスかなぁ(コメディ映画だと思ってしまった)。プロットが古典なせいか、サスペンスとして迫ってくるものがなかった。今にも忘れそう。

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行定勲監督「パレード」。よりにもよって、野村が嫌いなジャンルの映画。ごめんなさい、演技とか、人物の描き込みとか、空気感とか好きだったのだが、いかんせんストーリーが「気に入らない」。特に最初の章の主人公、恋愛感情に翻弄される多感な青年。ごめんなさい。多分普通の人には面白い映画かも知れないので、出ている役者に思い入れがある方とかは是非。

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漫画家・西原理恵子の元夫であるカメラマン・鴨志田譲の自伝を元にした「酔いがさめたら、うちに帰ろう」。妻側の視点を描いた「毎日かあさん」のほうが有名で、こちらは話題性という意味でも、そして映画の内容としても地味。精神科やアルコール病棟の描写がどれくらい真に迫っているのかは分からないが、表現としては淡々と進んでいく。鴨ちゃん(鴨志田譲氏の愛称)がカメラマンとして渡り歩いてきた戦場や、彼が戦争や貧困で苦しむ子供達をどうみてきたのか、この夫婦を著作などで知る旧来のファンにはバックストーリーとして当然知っている部分があって、それを映画の中で描く必要があったのではないかと感じてしまう。極力そういう枝葉の話は控えめにしたかったのかも知れないが、ファンとしてはどうしても、ね。それはそれとして、浅野忠信、永作博美の演技は好感が持てるので、そちらのファンの方は是非に。

tags: マンガ・アニメ