2011

2011-03-24 今月観た映画

今月観た映画の話、はじまりはじまりぃ。

久々の新作「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」。これを映画というかどうかは議論の余地がある。TVでいいじゃん。で、内容はいつもどおりのTRICKなのでファンなら普通に楽しめますな。

ジャッキー・チェン主演「ダブル・ミッション」。子供向けのハロウィン映画だと知らずに観てしまったので、あまりのスケールの小ささに最初戸惑った。こうしてみるとジャッキー・チェンもお爺ちゃんだよなぁ。そろそろ限界じゃないのかなぁ。無難には笑えるけれども、以前のジャッキー・チェンを知っている世代にはキツいかも。

原作(ゲーム)を知らない一般の方々を置いてけぼりにするアニメ「劇場版Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS」。流石に予備知識が無い人が観るわけが無い、という前提で作られたオタク向け映画。ストーリーはあっさりなぞるだけ、あとはひたすらカッコいい戦闘シーンで繋ぐという潔さ。初見を許さない固有結界。

ブルース・ウィリス主演「コップ・アウト」。アホ警官もの。この内容なら、もっと若手または無名な配役のコンビを主演に据えたほうが良かったんじゃないか。はっちゃけ具合が弱い。ラストの後の「one more thing」な下りは必要だったのか?ひょっとして人気の高いコメディアンなのかな、だとしたら不勉強ですみません。

ジュード・ロウ主演「レポゼッション・メン」。原題が「レポ・メン」。原題のほうが明らかに発音しやすい。内臓ぐりぐり描写の多い映画。そういう狂気的な表現に対して、SF的な風景や小道具が弱いと思う。特にクライマックス。せっかくのシチュエーションで、観客をゾッとさせる未来感が弱まっちゃった。残念。

「やさしい嘘と贈り物」。おじいちゃんが恋をするハートフルなコメディ。予告編など多分にネタバレが散見される映画だし捻りは無いが、むしろオチを知っていて観るとゾクゾクする。泣ける。主人公の気持ちにも周囲の人の気持ちにもなれる良い映画だと思う。

西原理恵子原作、菅野美穂主演「パーマネント野ばら」。原作を読んだことがあって、これは逆にラストを知っているとちょっと冷めると思う。思っていたよりはキレイにまとまった印象。そもそも山や谷の少ないストーリーなのでむしろ良くまとめたなぁと思う。TVでは流しづらい設定なのであまり人の目には触れない作品だろう。

「ラースと、その彼女」。人形(というかラブドール)に恋をした男の物語。シチュエーションで引っ張る感じのコメディと思っていたら、そうではないテーマがすごく明確に提示される。シチュエーションは笑えるのに、登場人物たちは観客に様々な問いを投げ掛けてくる。そしてラスト近くの神父の演説がグッとくる。パッケージ写真で主人公の傍に居る人形の造形に(特に日本にはもっとリアルな人形もあるだけに)不安になったのだが、観終わると成る程、敢えて選ばれたビジュアルだなと思った(もちろん、アメリカではこのリアルさが限界という可能性もあるが)。好きな映画。

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2011-03-23 東京と電力とITと

震災によって首都圏の電力を送出していた発電所が壊れてしまった。

そして漸く我々(警鐘を鳴らしていた方々も居たが、多くの方々は)は、電力が湧いて出てくるものでもなんでもなくて、単に遠くの町で生産されたものを消費しているに過ぎないことに気付かされた。

これが東京という都市の異常さであろう。全てを集めてしまえば効率的だという発想から政治の中心部を一カ所に集中させ、そこから派生して経済も集まってきた。合理的といえば聞こえがいいが、今は「コタツの周りにリモコンを並べる」様子にも見える。となれば野村はさしずめミカンの皮だ。

電力を遠くから運んでくるのに大変な労力を費やすくらいなら、IT産業はインターネットというインフラで距離の概念を変えてしまったのだから、今こそ地方へ分散させて良いのではないか。

十年前、IT業界で地方に活路を見出そうという動きが活発化した頃、盛んにインターネットというインフラが、距離の概念を駆逐すると云われた。だが現実には、人が集まる東京で全てが決まり、地方のIT産業はその決定に従う労働力に過ぎなかった。

本質的には、東京で作ろうと地方で作ろうと品質も含めてちっとも問題ないのに。コタツの周りにリモコンを置いたら便利過ぎて立ち上がる気持ちが薄れただけなのに。

(追記)なんかiPod Touchで日記書いてみたら、色々と脈絡が無い感じの文章に仕上がったけれども、ニュアンスでござるよ。

tags: 生活


2011-02-28 今月観た映画の話(後編)

買ったのにずっと観ていなかった「イヴの時間・劇場版」をようやく観た。で、速攻でオリジナル版を買い足した。というのも、この劇場版を観て非常に面白かった、面白かった故にこの作品が元々6本の短編でそれを繋ぎ直したものだという点がどうしても展開の端々に影響を及ぼしているように思えたことが心残りだった。勿体ない、非常に勿体ない。吉浦監督作品の長編が観てみたい。

設定は非常にありきたりな、人間とアンドロイドが共存している時代の話。だが、メインの舞台を「喫茶店」という一カ所に絞ったあたりや、その若干レトロな雰囲気などが非常に好感が持てる。一人一人が身上を独白する展開などはまさに「舞台」。これがオチも含めて非常に効果的だったと思う(下手にカメラが外の世界と行き来すると、「イヴの時間」が持っている特殊性がおかしくなっちゃう)。こういうツボった作品が劇場作品の一作目なのかと思うと、どうしても次回作に期待せざるを得ない。と、思わずハードルあげてしまいますな。

そして劇場で観た映画は「ソーシャル・ネットワーク」。アカデミー候補で「英国王のスピーチ」と一騎打ちらしい(この日記を書いている時点ではまだアカデミー賞始まっていません)。この映画、良くある青春ドラマを超えた人間ドラマに仕上っていて、ネットの世界に詳しくない人が観ても十分楽しめるようになっている。逆にいえば、Facebookはストーリー上に全く関係がない。実話を元にしているということはむしろ謳う必要が無いのではないかと思えるくらいだ。そして考えさせられる。この映画を肴に何時間でも話が出来るのではないかと思えるくらいに、観たものに訴えかける内容になっていると思う。それが鼻白まざるを得ない部分でもあるが、まぁ映画の主旨から云えば、完璧な仕上がりだろう。

ただ、100点の映画かというと、それは違う。カタルシスが得られないからだ。映画に求める非日常、どこかフィクションであって欲しいと思う部分が、この映画ではちょっとずれているか、或いは無い。端的に云えば「難しい」。だからこそもう一回観たいという気分にもさせてくれるのだが。

さてさて、今月観た映画はこんなところ。ではまた来月。

tags: マンガ・アニメ


2011-02-27 今月観た映画の話(前編)

まずはレンタルした8本から。

「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」。実はTVシリーズのほうを観たことが無くて(当時の我が家では、その時間は別の番組を観ていたんだと思う)ほぼ知識無しの状態で観た。なるほど、このシリーズは能力の無駄遣いっぷりが痛快なのですね。おバカで痛快、ぐっときました!映画館で観たかった!

デンゼル・ワシントン主演「ザ・ウォーカー」。世紀末救世主ものということで、拳法を使わない「北斗の拳」という印象。絵の過激さじゃなくてテーマがすごく近い。結構真面目に作ろうとしていて、つまりはやりすぎでクサいストーリー展開に、特に宗教的背景が違いすぎる日本人は思わず白けるだろう。が、野村は敢えて「よく頑張った」の及第点。映画としては残念だったのは興行成績でも明らかなので云うまでもないが、定期的に出てくるこの手のテーマの映画は中では気に入ったほう。

アンジェリーナ・ジョリー主演「ソルト」。ラスト以外はとても楽しかった。二転三転するストーリー!という触れ込みだったから、むしろ二転三転するところに驚きが無かったというのが残念。事前情報無しで観たかったなぁ。途中までは社会派サスペンスっぽさがあるのだが、そこはそれ、結局ただのフィクションだから。あと、皆がいうほど野村はアンジェリーナ・ジョリーが好きじゃないということで評価辛め。

キャメロン・ディアス主演「運命のボタン」。押す、押さないの心理戦かと思ったらテーマが別のところにいっちゃうのね、なんじゃそりゃー。後半なんか蛇足以外の何ものでもない。個人的に頭に来たのがキャメロン・ディアスの役は足が不自由という設定で、これが心理に深く関わってくるのかと思ったら中盤に台詞でさらっと説明して終わっちゃうところ。まさかそれだけじゃないよね、と思ったらそれだけだった。ひょっとして野村が何か見落としたかも知れないが。なにせ後半はつまらなくて半分寝ていた。

M.ナイト・シャマラン監督、お前がなぜファンタジーを撮る!という「エアベンダー」。監督の名前を忘れて観るべきだった、全くもってファンタジー。そして、微妙。例によって原作未見なのだが、今回の映画は大きなストーリーの中の第一章だけらしいのでストーリーが未完。ストーリーはこのあと面白くなりそうな気配があるのだが、興行的には次を作れそうなんだろうか、どうすんだろうねぇ、と心配になる。

ジュリアン・ムーア主演「シェルター」。感想を書く前にレビューサイトをちらっとみて……、やはり酷評か。見所その一は、この映画はフィクションであることを主人公自身が冒頭で言い切っちゃう点。多重人格はフィクションの世界だけです、と言い切っちゃうところね。作った側からするとニヤリとする仕掛けのつもりだろう。見所その二は救いの無いストーリー。観た人全員がツッコミ入れると思う。そして宗教もの(悪魔憑き)なので日本人には向かない、と。

アニメ「ヒックとドラゴン」。日本での宣伝に芸人を使っていたせいで野村の中では最低クラスのマイナス評価からの視聴。いや、面白いじゃないか。ジュブナイルはこうでないと。ちゃんと主人公は成長するし、仲間は……描写足りなすぎるけどまあまあいるし。そしてドラゴンたちが魅力的で、もっとドラゴンたちを推しても良かったんじゃないかと思うくらい。あの宣伝のせいで観たくないと思っているかたは、損をしている。

北野武監督「アウトレイジ」。問答無用のバイオレンスアクション。その手のが嫌いな方にはお勧めできないが、日本でギャングもの映画の歴史に残るかも知れないくらい、すごく盛り上がる映画。続編が今年の秋に公開予定ということだが、このラストからどうやったら続きが作れるのかという点も非常に注目。

tags: マンガ・アニメ


2011-02-18 アナログ写真を全部スキャニングしちゃう計画

こうみえてもアートというかデザインというか、そういったものを追い求めていた過去がある。で、野村が学生だった時分にはまだデジタルカメラなぞ普及していなくて、写真といえば35mmフィルムを使用するアナログなカメラの時代だった。いやぁ撮りまくった。カラーだろうが白黒だろうが、ネガだろうがポジだろうが。

この頃の写真たちはプリントの有無に関わらず全てフィルムの状態では保管してあったのだが、非常にお粗末な保管状況(単に箱に詰め込んでいるだけ)なのと、いい加減お荷物になってきたのと、いつかはデジタル化しなければライブラリ管理が面倒だなと思ったので、遂にスキャニング作業を始めることにした。

幸いなことに我が家の一体型プリンタにはフィルムスキャンの機能が搭載されていて、2400dpiで取り込めるらしい。というわけで早速MacBookProにUSBでスキャナ繋いで、Photoshop立ち上げてTWAIN……、え?TWAINがない?

もう時代が違うんだね、今はスキャナメーカー純正のアプリ等を使ってスキャニングするほうが安定性が高いのでそちらを使用しろ、とAdobeのサイトには書いてあった(一応TWAINプラグインは配布されていたが)。なるほど、ではメーカーのアプリでスキャニングする。

普通のネガフィルムは写真屋さんによって6コマずつに切断されている。6コマをスキャニングするのにおよそ18分(1枚あたり3分)かかる。これは、気が遠くなる。36枚撮のフィルム一本分スキャニングするのに1時間半以上かかるわけだ。しかも35mmフィルムという小さな物体のスキャニングだから、糸くずなどのホコリがかなり拡大されてしまう。気を遣うのも疲れてしまいどうせ大した写真じゃないからいいや、と途中からはかなり投げ遣りな単調作業になっていった。

取り込んだ後も大変だ。これはiPhotoに取り込んだところでようやく気がついたことなのだが、EXIF情報があるわけじゃないから当然写真を撮った日付も場所も分からない。必死に記憶の糸を辿るが、20世紀の出来事なんてそんな詳細に思い出せる筈も無く。だが、こうやって古い写真を引っ張りだすと、一応記憶とリンクしている箇所もあったりして。感傷の話はさておいても、このレンズは24mmだったかなぁ、このボケはかなり意図的だったよなぁ、とか色々工夫して写真を撮っていたことを思い出した。

それにしても。

デジタルカメラの時代になって全く写真を撮らなくなったのは一眼レフを触る元気が出ないからだが、ではあの頃のカメラと何がどう違うのかと問われると、うまく説明できない。オートフォーカス前提の設計がなされている現代の一眼レフはレンズが重くて取り回しが厄介だとか、ディスプレイ上の情報が多すぎるとか。いや、それ以上の「何か」に嫌悪感を感じているような気もする。

tags: PC