2010

2010-06-01 JapaninoのPOV用エディタ(ちゃちゃっと版)

大人の科学」Vol.27はテクノ工作セットということで、Japaninoという名前のコンピュータ(Arduino互換)と、POVと呼ばれるLEDの残像で字や絵を表示する装置が付属する。これらがどういうものがご存じない方はぜひネットで検索するなり、書店で大人の科学Vol.27を手に取っていただきたい。老若男女問わずファンが急増しているジャンルであるから、すぐにでも面白さが判ってもらえると思う。

で、野村が月一回のペースで参加させてもらっている「プチ合宿」と呼ばれる集まりがある。合宿といっても昼に集まって夜には終わるという集まりなのだが、そこでは参加者は電子工作やプログラムの勉強など、自分の勉強したいことや研究したいことをまとまった時間でやり込んでいる。

普段は各自が自分のテーマを持ち込むのだが、5月のプチ合宿ではJapanino発売を勝手に記念してみんなでJapaninoとPOVを組み立ててみた。キットを説明通りに組み立て終わると、各々プログラムを書き換えて色んな文字や模様をPOVに表示させたり、音を鳴らしたりしてこのキットを堪能した。野村はPOVを光らせるための行列データを作ることができるエディタをFlashで作ってみた。

povEdit

ソースコードはこちら。ご自由に利用してください。

Flash CS4用ソースコード

画面を簡単に説明すると、LEDを模した横19 x 縦7列のグリッド部分をクリックして、点灯/消灯させて絵を描く。データを差し替えながらPOVを点灯させることでアニメーションを実現するのがこのエディタの目的で、ステップという単位のアニメーションフレームを作成することができる。下部の○が現在のステップを表していて、+ボタンを押すとステップが増える。で、右下の三角ボタンでステップを左から右に連続再生(ループ)する(もう一度クリックで停止)。不要なステップは−ボタンで削除できる。

合宿中にちゃちゃっと作ったものなので脇の甘いところがあるかも知れない。そもそも、作り終わってから調べてみたら既に同様のアプリがいくつもあった。まぁ、そこはそれ、何でも「作ってみる」というのがプチ合宿のスタンスであるから問題ない、ということで。

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2010-05-22 今年のベランダ

今年のベランダの様子を先ほどパチリと撮った。ちなみに我が家は食するためのベランダ菜園である。

左からアボカドの木、トマト、ゴーヤ。丸いプランターは上からトウガラシにシソ。

真ん中のプランターは空っぽ。ここはバジルになる予定。

右下の四角いプランターは昨年友人たちより戴いたもの。ポンプ付きで水が循環するかっこいい奴なんだが、このポンプが「手動でオンオフを繰り返せ」と説明書に書いてあって、……そんなヒマあるかーい!ということですんません、使い道がまだ決まっていません……。

tags: 生活


2010-05-15 制作者が語る「普通の人」とは

先日、あるWEBサイトについて友人たちとTwitter上であれこれ考察していたときにふと思ったのだが。

自分は今、ユーザーとしてWEBサイトを評価しているのか、WEB制作者として評価しているのか、あるいは両方なのか。

WEB制作というのは、普通の制作作業がそうであるのと同様に、使い手(ユーザー)を意識して作業を進めていく。ユーザーはこれを望んでいるのだろう、こう思うだろう、ここで感動するだろう、などと仮説を立てて制作を行う。

制作中に立てられた仮説は、実際にサイトが完成して公開されてユーザーが使い出すまで証明はされない。当然ながら。

いや、実際には使い始めてもなお証明はなされない。一般に効果測定ということでいえば、アクセス数や口コミ数(いわゆるバズですな)、会員登録機能があるならば登録数、ECサイトならば購入数といった数字で計ることができる。だが厳密な意味で云えば、「ここにAというムービーを置いたからアクセス数が増えた」という風に、やったこと(施策)とその効果が奇麗に対応付けられることは少ない。宣伝の成果かも知れないし、カラースキームを変更しただけで好感度が上がったのかも知れない。本当はユーザーが嫌悪感を抱くムービーを置いたのに、それ以外の施策がユーザーにとって魅力的だったのでユーザーは我慢してアクセスしているだけかも知れない。

では数値に反映されない部分の評価を、例えばネット上で評判を集めるとする。だが、ネットを利用しているユーザーのうち、ネットで情報を発信している人がどれだけいるか。残念なことに、WEBで話題になったサイトの評判を検索すると、上位に来るのはWEB制作者たちの評判だったりすることが多い。WEB制作者たちはWEB利用者としても優秀なわけで、利用者として純粋に評価してくれているのであれば確かに有り難い。だが、どうしても制作者視点や私情も混じるだろう(なにせ狭い業界なんで、誰が携わったとかすぐに分かる)、少なくともそういった疑いを拭いきれない。

ジャンプなどのマンガ雑誌が読者アンケートの結果によって連載作品の評価を決めるという話をよく聞く。マンガ雑誌の読者アンケートにハガキを送るのは、読者の中でも偏った層に過ぎないという噂も聞く。だが、マンガ雑誌の読者アンケートには漫画家たちや編集者たちが真っ先に投稿する、という話は聞いたことがない。

WEBは未成熟な世界で、今はまだ身内(ライバル含む)が身内を評価しあうことで鍛えあっていくしかないのかも知れない。だが少なくとも、自分たちがフツーの人なのかどうか、フツーの人はどう思っているのかは、常に疑ってかかるべきではなかろうか。

tags: インターネット


2010-05-04 1996年に作った曲を晒す

10代〜20代の頃に作った自作曲を収めたカセットテープを処分することにした。かなり時間がかかったが、全てPC上に取り込んだ。

今回はその中から、札幌で浪人生(またはニート的なもの)をやっていた1996年に録音した曲を晒す。

元々MTR(マルチトラックレコーダーといって、市販のカセットテープを使って多重録音を実現する機械なのだが、知らない人の方が多いと思う)を使って録音されたものだし、残されていたカセットテープからデータに変換したので音質は良くない。

当時使っていた機材のほとんどが手元に無いため(いくつかは壊れてしまった)、もはや同じ音を再現することは不可能となった。もしも今録音し直せば、最初からデジタルで録音するので音質の劣化もないだろうが、まぁこの状態のものを記録として晒しておくのも悪くはないだろう。

今回晒すのは10曲入りのアルバム形式で作ったカセットの中から、「神話」というタイトルで作った6曲の連作である。インストである。確か当時、映画やゲームのサントラのようなアルバムを作りたかったんだと記憶している。各タイトルはギリシャ神話の美少年アドニスにまつわる物語からいただいた。別に美少年に興味があったわけではないが、ギリシャ神話の中でもメロドラマ調なお話だったので題材にしやすかったのだ。余談だが、メロドラマの「メロ」の語源もギリシャ語(メロス)という説があるらしい。余談の余談だが、野村が何故ギリシャ神話を読んだことがあるかというと、そもそも士郎正宗の「アップルシード」が……。

「神話」作:野村政行

  1. 不遇の子 Guilty Child (Love From Myrrh)
  2. 冥府の愛 Love From Persephone
  3. 夢見の地 Adonis’s Garden
  4. 涙の花 Rose (Tears Overflowed Aphrodite’s Eyes)
  5. 風の花 Anemone (He Became a Flower Named ‘Wind’)
  6. 春待ち Adonia Festival

ちなみにいつものとおり、この6曲ともにクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(帰属 – 非営利 2.1 日本)である。

tags: 音楽


2010-05-03 例のAppleの文章についての雑感

この雑感は、Packager for iPhoneを潰すための規約変更が覆らない前提で書いている。規約変更の話は脇に置いて読んでもらいたい。

個人的にはあのApple社(Steve Jobs氏)がFlashをiPhoneに搭載しない理由として掲載した、中途半端な文章は読み解くに値しないと思っていた。大体、アプリの話をしているのかWebブラウザ内のプラグインの話をしているのかすら定まっていない。従って反論も不要と思っていた。だがどうも話題が先行してしまっているため、このままではFlashについての誤解が広まってしまうかも知れない。

論点がずれたままの言葉の応酬に、世論が振り回されないようにしなければならない。なので件の文書の、前半のだらだらぐだぐだをすっ飛ばして、後ろにようやく出てくる「もっとも重要な理由」として掲げたサードパーティ製のミドルウェアを使って開発されると品質が下がる、という話に絞って考えてみる。

AppleがApple自身の価値(例えばAppのUIの品質など)を管理するのは当然だと思う。そしてその仕組みをAppleは持っている。App Storeがそれだ。アプリは全てAppleが独占的で恣意的な判断を下すことが可能なように、Appleの管理下でしか配布することが出来ないようになっている。

現に様々なアプリが様々な事情によりリジェクトされたり公開を停止させられている。アプリを申請する際には、バイナリ(完成品)は提出するがソースコード(一般的にプログラムと云われているのはこれのこと、ソースコードから完成品が作られる)を提出しない。だが、Appleはバイナリから何らかの手法で、そのアプリがどういう作り方になっていて、それがレギュレーションを違反していないかどうか、品質をチェックしている。

今回Adobeが発表したPackager for iPhoneという機能では、Flash Professionalで作られたものをアプリの形のバイナリに変換する。で、Appleは上記のように何らかの手法で「バイナリから品質をチェック」している。つまり、「アプリの品質の問題」はそれがFlashで作られたかどうかに関係なく、一律に判断することが可能ではなかろうか。

あるいは、その何らかの手法でバイナリーから品質をチェックするための機能が、Packager for iPhoneによって酷く負荷が高まってしまうなどの問題があるというのか。それならば、Adobeには辛いことかも知れないが最初から「ソースコードの提出」を義務づければ良い。品質をチェックするならソースコードからチェックする方が断然早い。最初っからそう云われていれば、Adobeもぐぅの音も出なかっただろう。だがAppleは、実際にはソースコードを提出させるほうがコストが高いのかなんだか知らないが、現状ではバイナリのみしか提出させない。

そもそも、現状のアプリのチェック機能それ自体が、本当に品質の管理を行えているのかも疑問だ。先日、あるサードパーティのライブラリを使ったアプリが一斉に公開を取り消される事態が発生した。理由はライブラリのソースコードの一部がレギュレーションに違反していたからだが、何故公開前の審査をくぐり抜けてしまったのかについてはAppleから何の情報開示もなされていない。

或いはUIがFlashによってかき乱されると云われるが、それこそ出て来たアプリをチェックすればよいだけの話であって。そもそも、UIは現状でもいかようにでも改変可能だ。それをみんながやらないのは標準で提供されるUIが良く出来ているからと、単に変更するのが面倒だからだ。

一方的にFlashを搭載しない理由はこれだ!と掲げているが、品質に問題があるのはFlashのほうではなくでAppleのほうなのではないか。それをFlashを槍玉に上げることでカウンターあてたような雰囲気を醸し出しているに過ぎないのではないか。

しかし、今回のAppleの文章、読むにつけ内容の無い文章だ。この日記書くに至るまで延べで何時間も悩まされたこと自体が、Jobsマジックにかかったということなのだろうか。

tags: PC