僕と車椅子について

 僕は車椅子を使っている方を見掛けると、ついじっと見入ってしまう悪い癖があります。冷静に考えてみると、僕は車椅子がきっと好きなんですね。特にあのグリップ感といいましょうか、ハンドルから直に伝わる椅子の挙動といいましょうか、体重移動といいましょうか、まあとにかく皆さんも乗ってもらえれば分かると思いますが、あれは素晴らしいものです。
 というわけで、もしも車椅子について問題意識を持ち始めた人、問題提起されていることに気づいた人、問題があるとは思っていない人にはぜひ一度乗ってもらいたいわけなんです。

 なにより、車椅子は機械としてのかっこ良さがあります。
 だからこそデザイナーには頑張ってもらいたい訳なんです。車椅子は、なんともひどいデザインのものが多い。さらに新しい車椅子は結構頑張ったデザインのものもあるのですが、高いものですからそうそう買い換えられないのです。これは悲しい。

 トレンディドラマに車椅子の人が出てくることがあります。なんともひどい扱いです、大抵悲劇的な描かれ方をします。なぜコメディには出てこないのでしょうか。ラブロマンスの中心にはいないのでしょうか、なぜドラマで車椅子が出てくるとそれがネタになるのでしょうか。もっとフツーに出てきてもいいのではないでしょうか。
 かくいう僕も、自分で考えた物語の中で車椅子の人を登場させたとき、どうしても車椅子にまつわるネタを中心にしてしまった感が否めなくなり、書くのを途中で止めてしまったことがあります。書く前までは絶対にそんな風に扱わないんだと心に決めていたのに、どうしても物語がそっちに行ってしまう、まだまだだなぁ、と思ったものです。

 どうかデザイナーの皆さん、物書きの皆さん、僕の大好きな車椅子をもっとかっこ良くしてください。車椅子はかっこ良いです、絵になります。