戻る 音楽の日々
0
前へ

Donald Fagen「The Nightfly」の巻(2000/04/11)

 スティーリー・ダンが復活した。僕はスティーリー・ダンよりも先に、今回取り上げているドナルド・フェイゲンのソロから聴いてしまったので、「久しぶりにドナルド・フェイゲンの歌声が聴ける!」っていう方が先行してしまった。
 実家にいたときは安物輸入盤のLPで聴いていたが、この間CDでも欲しくなって買った。するとその中に日本語の解説文が入っていたので、まずはそこから重要な事柄を引き出しておこう。
 AORという言葉のハシリなどと言われていたスティーリー・ダンは、彼とウォルター・ベッカーによるジャズ大好きユニットだそうな。70年代後半には他のミュージシャンに多大な影響を与えたそうな。その時代に僕は幼稚園児だったので、そんなことは知らないが、スタジオワークのすごさみたいなもんがあったらしい。で、特徴は「曲を大事にする」音作り。聴くとたまげるほど緻密、繊細、華麗。そして上手い。
 「The Nightfly」は1982年に発表された。これが正当なスティーリー・ダンのサウンドを継承していたもんだったから、ファンにはたまらなかったそうな。僕は前述のとおり、こちらから先に聴いたのだが、確かにスティーリー・ダンの音に近い。
 スティーリー・ダンはヴォーカルとキーボードなので、色々な人がサポートしているのだが、例えばドラムにジェフ・ポーカロがいたりすることから、素人目にも相当なメンバーが揃っていることが分かるだろう。勿論、音を聴いていただければ更に凄さを感じていただける。
 とにかく渋い。1曲目の「I.G.Y.」からホーン・セッションとシンセの絡みで泣けちゃったりする。「NEW FRONTIER」の軽快な雰囲気から「THE NIGHTFLY」にいく辺りもく〜って感じで、ブランデーでも飲みたくなっちゃう。否、飲めなくってもいいから、手に持っていたいもんだ。そういう、夜っぽい雰囲気。タバコの煙な雰囲気(ちなみに僕は嫌煙家だったりして)。
 ジャケットもかなりいい。爆笑問題がなんかの単行本でパロディにしていたけれども、気持ちがよく分かる。ジャケット愛好家の方もぜひ。そして、聴くときは部屋を暗くして。

次へ

(C)Copyright Nomura Masayuki all rights reserved.