2011

9月に観た映画

特にオススメじゃない映画はあっさりメモ程度に留めることにした。長々書いても嫌な感じしか残らんので。愚痴りたいときは書くけど。

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というわけで今月一押しは「その街のこども 劇場版」。阪神大震災から15年が経過した2010年1月17日を描く(ホンモノの2010年1月17日を撮影するという手法もスゴい)等身大のフィクション。今年この作品を観るということについても当然考えざるを得ないし、なにより今を生きる我々が、特に若者世代が何を感じているのかをまっすぐな表現で描いていて心を打たれる。ほぼ森山未來、佐藤江梨子の二人芝居で進行するという難しい台本なのに、演技なのか本気なのかも分からなくなる名演。これを観るべき!と強く人に勧められる傑作。

うってかわってバカっぽい映画、トッド・フィリップス監督の「デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~」と「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」を何故かこの順番で観てしまった。「デュー・デート」のほうは、ま、こういう映画だからね。そんな感想しか無い。「ハングオーバー!」は確かに続編が作られる理由が分かる、良くできたコメディー。二日酔いから覚めたら、想像を絶する事態が目の前に!というプロットがもう面白すぎる。ただ、どちらにも言えることだが、どっからどうみてもアメリカのコメディー。そこが鼻についたら、もう観られない。

ロバート・デ・ニーロとエドワード・ノートンにミラ・ジョヴォヴィッチまで加わった盛り上がりに欠ける「ストーン」は置いておいて。

うっかり前作「ウォール街」を観る前に観てしまった(あるいは観たけど忘れていた)オリバー・ストーン監督「ウォール・ストリート」。サブプライム問題とかが絡んできて、緊迫するマネーゲームが始まるのかと思いきや、これまた何も起こらず。地味なのか派手なのかはっきりして欲しい。

森田芳光監督「武士の家計簿」は終盤で堺雅人と仲間由紀恵が老夫婦になったところで、「いや、どっからみても堺雅人と仲間由紀恵にしか見えない」と思ってしまってもう真面目に観られなくなってしまった。

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アーロン・ジョンソン主演「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」。若き日のジョン・レノンを描いた作品ではあるが、思春期の男の子の物語として普通に面白かった。ただね、この邦題とか含めて個人的には違和感も感じるんだな。「ほら、こういう思春期だったんだよ」という大人の決めつけがどっかに滲み出ている気がして。コレって本当に主人公ジョンの感じていたことだったのか?と勘ぐってしまいたくなる。まぁでも、この手の映画は善し悪しとは別にシンパシーを感じるかどうかも重要なんで。

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ライアン・レイノルズ主演、というかライアン・レイノルズしか出てこない「リミット」。ひたすら棺桶の中で繰り広げられる、一回観ちゃうともう魅力が無くなるという超一発もの映画。もちろん万人になんかオススメできないが、低予算でスリリングに見せるという点では、「フローズン」やもっと古い作品でいうと「フォーン・ブース」、バスを降りる前までの「スピード」なんかと並べてみても、個人的には遜色無いと思う(というか、ここに名前を並べた作品が世間的にどう評価されているのか、っちゅー問題もあるが)。感動する作品やスケールの大きい作品は観飽きた!というときにオススメ。


Sony Tablet S届いた

Sony Tablet Sとmoo.comで作った名刺

Sony Tablet Sが届いたよ。というわけでチマチマ設定中。

その手前にあるのが、これまた今日届いたMOOというビジネースカード印刷サービスで作ったカード50枚。Flickr経由で自分の好きな写真をカードにいくらでも入れられるというサービス。この手のサービスの中では割と老舗で以前から試してみたいと思っていたのだが、自分の昔撮った写真をスキャニングしたついでに頼んでみた。50枚全部違う写真でも良かったのだが、若気の至りすぎる写真を削除するなど、もろもろ選抜していったら写真のほうは20枚ちょっとになってしまった。つまり同じ写真が2〜3枚含まれることになる、というわけ。

全然関係ないのだが、この日記を書くために写真撮って、SDカードをMacBookProに差し込んだのだがさっぱり認識しない。どうも、このSDカードスロットは使っていないと認識が悪くなるらしい。酷い。


8月に観た映画・短縮バージョン

現実世界でテンパっているので、とりあえず、何を観たのかだけメモ。

「アンストッパブル」。物語内の経過時間がだらだらと長くないので、思ったより面白かった。内容は想像通り、というか一応「事実に基づいた」ということで、ハッピーエンドが待っていることは既にネタバレされていたし。

「グリーン・ホーネット」。こういうヒーローが生まれるまでを描くヒーローもの、面白い。主人公がホントにダメでイヤなヤツで笑える。

「RED/レッド」。「ナイト&デイ」の主人公をイケメンのトム・クルーズからおっさん臭でおなじみのブルース・ウィリスに替えたら、途端にバカ度が増しました。

「GAMER」。記憶に残らない。なんで借りたのかも忘れた。ところで、押井守監督の「アヴァロン」って映画があってですね……(野村はかなり「アヴァロン」が好きらしい)。

「塔の上のラプンツェル」。基本的にディズニーは嫌いだが、これは面白い。かなり現代的な女性像の主人公、ラプンツェルのおてんばっぷりが「シュレック」からの逆インスパイア状態で笑える。

そして「コクリコ坂から」。宮崎吾朗監督は経歴を語るときにこの作品の名前だけを挙げるべきだね。この前たまたま雑誌の記事で知ったのだが、ジェームス・キャメロン監督のデビュー作は「ターミネーター」じゃなくて「殺人魚フライングキラー」という作品らしいので。


8月に観た映画・アジア編

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野村の中で映像化されると裏切られるマンガ家ベスト3に入る(残り2人は決めていない)よしながふみの「大奥」を二宮和也、柴咲コウ主演で映画化した「大奥 <男女逆転>」。原作1巻の内容を忠実に再現しているあたりは評価できるが、以下の2点がどうにも気になって話に集中できなかった。ひとつは、二宮和也演じる水野が「軽い」。もう一つは柴咲コウ演じる吉宗が「軽い」。両方とも俳優から連想されるイメージに似合った演技はしていたと思うので、これは多分配役の問題。水野はもっと男っぽい角のある体格や物腰を持っていて欲しかったし、吉宗はもっと心に刀を持っていそうな重たさが欲しかった。結論としては、またしても映像化失敗と思った。

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三池崇史監督「十三人の刺客」。これがリメイクだというのをエンドロールで知った。オリジナル版もシナリオ的にはエグいらしいが、こちらもエグい。明石藩主の非道っぷり(観客に圧倒的な嫌悪感を抱かせるためなのだろう、前半は描写がかなり直接的なので注意)と、それに立ち向かうために刺客達がばっさばっさと斬り殺していく後半の長い戦闘シーンが良い。評価ポイントの大きなひとつに諸悪の権化である明石藩主を稲垣吾郎が演じている点が挙げられよう。演技が上手いかといわれると、正直どうなんだろう。だが、人の情けというものを理解できない病んだ殿様=稲垣吾郎が無表情で突っ立っている絵面がハマり過ぎていて、この配役はズルいと思った。

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キム・ギドク監督「春夏秋冬そして春」。ひたすら山奥の寺のみで話が進行する。退屈なまでに時間がゆっくり流れていくなぁ……、と思いきや事件は起こり、そこからぐぐーっとストーリーは押し進められていく、静かな中に強い力のある映画。繰り返される四季に込められた輪廻転生、生命、人の業について深く静かに問答するような映画。ある種の宗教観に基づいた作品であることは間違いないが、押し付けがましいという程もないと思うので、落ち着いて、思考の海に深く落ちてみたいと思ったときなどにぜひオススメしたい作品。折りをみて見返したい。

どうでもいいが、DVDを検索して「無修正版」とか出てきてがくっときた。そういうシーン、あるけどさ、そういう映画じゃねーよ。

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ジャッキー・チェン主演・製作総指揮の中国・韓国合作「ラスト・ソルジャー」。ジャッキー・チェンはさすが良く分かっていらっしゃる、ハリウッドばりの痛快で明瞭なアクション映画。ストーリーはコミカルで軽快、画面はしっかりしていて見応えたっぷり(ジャッキーはさすがに体動いていないし、カンフーものではないのでそこはあまり期待しないように)。で、ヒネリが少ないストーリー展開というのも残念ながらジャッキー・チェンっぽいといえばそれっぽい。ラストの展開は好き、というかこれが云いたかったんだよね、と納得した。ところでこの映画、なぜか評判をあまり聞かない。制作が中国だからかな?それとも、もうみんなジャッキー・チェンに興味ない?新作「1911」とか気にならないの?


今月観てしまった映画・洋画編

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シルヴァン・ショメ監督「ベルヴィル・ランデブー」。独特の絵柄のアニメ。動きがとても気持ちいいし、テンポも素敵。もうね、オシャレで笑えて可愛くて惚れちゃうぅぅ。野村は「イリュージョニスト」を観た後でこの前作に戻ったのだが、なぜもっと早くにこのアニメに出会わなかったのか、後悔するくらいに素晴らしい。……とはいえ全体的に説明的な表現が少ないストーリー展開なので、あくまで受動的に作品を観るタイプの人にはきついかも。

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ザック・スナイダー監督が何故かCGアニメを撮ったという「ガフールの伝説」。フクロウが「300」やっているよ!それはともかく、ちゃんとキッズアニメになっていて、子供が冒険する物語だし、勧善懲悪だし、ハッピーエンドだし。ただし、絵はスゴいがストーリーでは驚けない、いい意味でも悪い意味でも視聴者を裏切ってくれない。これ作っているウラで「エンジェル・ウォーズ」作っている辺りが、やっぱりどことなく押井守監督を連想してしまうのだが……。現在「スーパーマン」の新シリーズを制作中らしいので、とりあえずそちらに期待。

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「瞳の奥の秘密」。これは良質なサスペンス映画。登場人物の心理描写や全体の雰囲気が、観るものに覚悟というか駆け引きを要求してくる。主人公がおっさんなので絵面として耐えられるか心配だったが(失礼な話だ!)、むしろ哀愁漂うおっさんとおばさんの雰囲気に引きずり込まれていく。おっさん、素敵やん。

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「フローズン」。お金かかっていない感たっぷりのB級パニック映画。伏線はないし、ストーリーは間延びしているというガッカリ映画なのに、なのに怖い!悔しい!ただ単純に怖がりたいときにオススメ。しかもただのビックリ箱なので、一度観たら二度とビックリできない。

あと、劇場で「ハリーポッターと死の秘宝Part2」を3Dで観てきた。3Dで観る必要なかったように感じたが、これについてはもう少し自分の考えをまとめてみるとして、映画そのものは完結編にふさわしい盛り上がる内容。シリーズを何作かでも観ていたら観たほうがいい。単体として考えたら、もちろん中身の薄い映画ということになってしまうだろうが、「ハリーポッターってこういう作品だよー」というパブリックイメージを崩さないように気を遣った完結編なんじゃないかなと思った。もっと作品に思い入れがある人だと違う感想を持ったかも知れないが。