2007

私見:ダウンロード違法化論議について

先日、MiAUのサイトを参考に私的録音録画小委員会にパブリックコメントを提出したのだが、その後行われた小委員会では「個人からのパブコメが8割、うち7割がネットのテンプレ」と報告され、なんというか自尊心に傷がついた。

いや、いいじゃねーか、皆がそれを採用したということは、それが「使いたくなるような」テンプレだったんだよ。

パブコメを自動生成するジェネレータがお手本としてあったわけだが、野村はかなり書き直した。順番も入れ替えたし、野村の見解と異なる部分は書き換えたり削除したり、付け加えたりもした。そんなにお手軽じゃないんだ、テンプレってだけで片付けないで欲しいぃぃ。

パブコメの大半は「ダウンロード違法化」についての話題になってしまったようだが、野村がこの問題について引っかかっているのは、

  1. 「違法なダウンロード」を証明する方法が不明瞭
この問題は、前提として(違法ダウンロードを監視するための)盗聴を合法化するかどうかの論議も必要だと思うし、「未必の故意」と「認識ある過失」問題もついて回ると思う。市民感覚で考えると罪の軽重が微妙なんだよね。赤信号渡っちゃったのか、麻薬に手を出したのか。

そこに加えて「情」などという思考停止な概念を持ち出してきているキワモノっぽい説明が胡散臭さを増している。
  1. 個人の情報発信者がないがしろにされている
免許が必要な放送分野と異なり、個人が自由意志でいつでも情報を配信できるインターネットの世界にあって、情報発信者側に「過度の」負担がかかるような事態は避けたい。

例えばこの日記が「合法である」ことはどうやって証明できるのか。野村が個人で「合法マーク」とやらを取得しろ、というのか。例えば野村が音楽を発表したいなら[JASRAC][2]などの管理団体の加護を受けろというのか。それは脅迫というか、パワハラじゃないの?
  1. いたずらに消費者を脅している
小委員会は詐欺や恐喝をやらかす輩の可能性を軽視していると思う。「おたくのPC、違法ダウンロードされたファイルがありますぜ、罰金刑です」みたいな詐欺、恐喝の類は簡単にできてしまう、いや、今でも可能だ。

この手の詐欺に対抗するには消費者に正しい知識を啓蒙していく必要があるわけだが、「合法マーク」みたいなトンチキなアイディアを真顔で言い出す人には無理なんじゃなかろうか。例えばベリサインのバナー(が本物かどうか)をちゃんと確認している消費者はどれだけいるのか知っているのか。なぜフィッシングサイトに引っかかる消費者がいるか分かっているのか。

この小委員会でのこれまでの検討では、その辺の感覚が中途半端に見えてしょうがない。 

といったあたりか。

この問題についてはダウンロード違法化賛成側の説明力不足が問題を複雑化させているような気もする。著作権を守るための法整備の必要性というならば、上記でも述べたように個人もこの法整備によって保護される側の立場に立つことになりえる。著作隣接権を商売のタネにしているひとたちが「俺たちの権利を!」と声高に叫んでばかりいて、著作隣接権を他人にゆだねていない個人が無視されているのは納得がいかない。野村の作った音楽は誰かに守ってもらいたい前に野村が守りたい。でも、そのために補償金制度が必要とは思わない、だって野村には一円も入ってこないから。

なので野村の意見は、ぶっちゃけていえば「目的が分からん不自由は容認できない」。利権なら利権とはっきりいえばいいんだ。民主主義と資本主義を一緒にしないで欲しい。

てなわけで、MiAUが「大感謝祭」を企画しているそうで。無名の作家(音楽家、小説家、詩人、パフォーマー)に幸あらんことを祈って……。

「大感謝祭」キャンペーンのお知らせ – MiAU


引越しします

来月中旬に引越しすることにしたので、諸手続きを始める。結構あちこちに住所変更を届けなくちゃならないから、面倒だよなぁ。

$ ln -s ……

……ってできたら便利なのになぁ。あ、郵便は可能だ。

ところで、次の場所はエアコンやガスコンロが装備されていない。どちらも、これまで自分では買ったことがないものなので、楽しみと不安がある。特にエアコンは、買うってことは次の引越しの時には外して持っていくということになるわけで、結構大変な気がする。

その割にはエアコンって安いな。工事費込みで5〜6万円ってところか?DVD-BOXでいうと1箱分か……。


my.opera.com、タダほど使えないものは無い

半ば意地になってOperaブラウザを使い続けている野村であるが、そのOpera社が提供しているコミュニティサービス(my.opera.com)には無料ブログサービスもあるようなので、試しにGainer日記で使っている。

が、このサービスが、よくよくメンテナンスモードに突入する。

うーん、やはりダメなのか。無料じゃダメなのか。

海外のサービスらしく、たまにBlogのエントリの時刻が狂ったり(狂ったと思ったら元に戻ったりと非常に不思議な挙動を起こす。時刻補正するのかしないのかはっきりしてくれ)、デザインが日本の風土にかみ合っていなかったり、と気になる点もある。

Gainer日記、早くも引越しを検討中。


札幌のメイド喫茶

札幌のメイド喫茶が一軒閉店するらしいというニュースを小耳に挟んで、「あぁ、きっと実家の近くのアレだな」と思ったら本当にそうだった。札幌ってオタク向けの店がバラけ過ぎていて、非常に商機を逃しているんだよなぁ。ここって本当に何も無い、向かいの八百屋でゆでトウキビ売っているとか、そんな感じ。

ここ、一階角に位置していて、横もガラス張りになっているせいで店内の様子が外から丸分かりなのが、なんとも。いや、もちろん入ったことないけどね。これが出来たのは野村が札幌を離れたあとだから。


パブリックコメント送りました

MiAUのサイトを参考にして、「私的録音録画小委員会中間整理に関する意見」を文化庁に送った。

野村の意見が間違っている(法的に、或いは今後のインターネットの情勢的に)可能性もあるが、これまでのインターネット体験と、インターネットに求めるものを率直に書いたつもりだ。

  • 104ページの「第30条の適用範囲からの除外」の項目について

    反対します。

    ストリーミングとダウンロードの定義は技術者の間でも多くの議論されているように、現時点では非常に流動的なものです。法律の性質上、時流によって定義・解釈が変わってしまう恐れのある文言を採用してはならないと考えます。また、早計な定義付けは今後の技術革新に法律が追いつかなくなり、技術革新を阻害する要因にもなります。

  • 104ページの「i 第30条の適用範囲からの除外」の項目について

    反対します。

    送信可能化権で違法な送信者を罰することができる以上、ダウンロードを違法化する意義が不明です。また、ダウンロードを違法化したとして、どのように違法なダウンロードを発見し取り締まるのか、そのプロセスが不明です。現行法上では通信の秘密が認められているので、これを侵害する恐れがあり他の法律や憲法と矛盾します。

  • 105ページの「ii 第30条の適用範囲から除外する場合の条件」の項目について

    反対します。

    合法か違法かの最終判断が司法に委ねられている以上、それを事前に識別するという前提が矛盾します。

    また、インターネットには国内・国外の区別がありませんので、国内でしか通用しないルールを提唱することの効果は非常に限定的ですが、その限定的なルールをITリテラシの高くない国民にまでアピールしてしまうことで偏った知識を逆に広めてしまいます。更には詐欺などの犯罪の温床になり、危険です。

    個人の情報発信者のコンテンツがどのように適法であると証明されるのか、そのプロセスが存在しない法律である点も問題です。これまでの法律が対応することができなかった個人の情報発信者が、インターネット上では重要なコンテンツ提供者として活躍していますが、このままでは個人の情報発信者を閉め出す法律として機能してしまいます。適法であることを証明するのに無駄な労力を必要とするならば、創作以外の不要な労力を求られない国外法に則ってコンテンツを提供する情報発信者が現れ、国益は損なわれるでしょう。