1月に観た映画

なんだかクソ忙しいので映画を観る体力もかなり持っていかれてしまっているが、それでも宅配レンタルは律儀に8枚送ってくるので観ねばならぬのであった。

CGアニメ「9 ~9番目の奇妙な人形~」。キャラクターのパペットっぽいデザインがかわいい……のかな、とにかく表情が好き。内容は典型的な子供向け冒険ものなので(深みが感じられないのが残念だ)、ストーリーよりもキャラクターや世界の造形を楽しむべし。絵柄はまぁまぁといったところか。

ジェニファー・リンチ監督「サベイランス」。実は猟奇殺人ものだと知らずに観たのでちょっと凹んだ。というかね、サスペンスだと思ってじっくり観ていたら実は大した推理が要らなかった(ネタバレすんません)というね。リンチさん家の方々はこういうのが好きなのですかね。野村は普通の感性の人間なので、サスペンスならもう少し「サスペンド」させて欲しいですわ。

「アイアンマン2」。ネットとかで感想を読むと前作よりも評判が良いが、個人的には「1」と比べて展開がベタに感じられて少々残念な印象。アクションはバツグンなので、それだけで何度でも観たくなる映画であることは間違いない。2作続けて観るとぐっと来るのかも。

サンドラ・ブロック主演「しあわせの隠れ場所」。実は実話です、感動の実話、泣ける、アメリカンドリーム!……なるほどねぇ。確かに「良い話」なんだが、人間の感情のエグい部分がまったく描かれていなくて、今ひとつ登場人物たちが好きになれない。「いい人」過ぎる。登場人物がちょっとだけ茶目っ気を出すように自分の暗部を告白したりするが、「そんなきれいごとを!」と言いたくなる。サンドラ・ブロックの演技が素晴らしいという感想を見かけたが、そんな理由によりあまり「演技」に注目できなかった。

安全安心エンタメ命でおなじみ、ジェリー・ブラッカイマー印の「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」。見所はもちろんアクションなのだが、ゲームが原作ということでゲーム上の設定(屋根の上を走り回ったり、「時間の砂」を使ったり)がメインで使われているので、これが納得できれば楽しい。

ボーンシリーズのチームが作ったというマット・デイモン主演「グリーン・ゾーン」。ちなみにボーンシリーズは第1作目で深き眠りに落ちたために以降の作品も観ることが出来ず、なんでボーンシリーズは人気があるのか自分には検討もつかず。で、この作品の見所は前半で、大量破壊兵器を探す緊張感が高い場面が続いて、マット・デイモン含め兵士たちの緊張と疲労が観ているこちらにも伝わってくる感じがすごくいい。反面、後半のマット・デイモンが何故か探偵ごっこ始めて、しかも役に立っていないというあの間抜けっぷりはどうなんだろう。オチるものもオチていないまま終了。後半全部書き直してくれー!と言いたくなる。

またしても伊坂幸太郎原作の「フィッシュストーリー」。伊坂幸太郎なので例によって「中二病」なストーリー。映画的には「ゴールデン・スランバー」よりこっちのほうが面白かった。それが決して多部未華子ちゃんが出ているからではなくて、複数のストーリーが絡むという「映画的なプロット」が気持ちよかったから。だが、2012年パートの気持ち悪さはちょっとないなぁ。役者さんのせいじゃなくて演出のせいだと思う。あと、1975年パートの主人公を演じた伊藤淳史が主演扱いな理由が分からない。複数のストーリーが絡むから面白いのになぜ1975年パートだけ特別扱い?まぁ日本国民は多部ちゃんが出ているというだけで観るべき。

高橋玄監督が様々な実例を基に警察の暗部を描いたという触れ込みの「ポチの告白」。3時間を超える長さを感じさせない濃厚な警察ドラマで、いかにも低予算な感じが途中ありつつも、ラストまでグイグイと観ている人を引っ張ってくれる。だが、観終わってみて最初に思ったのは「これはフィクションだ」ということ。そこが惜しいというか、なぜ「フィクションだ」と観客に気づかせてしまったのかが気になる。例えば周防正行監督の「それでもボクはやってない」の観客をバーンと突き放したラストと比べて、どうだろうか。

あと劇場で「相棒II」を観た。前の劇場版と比べて一転、ダークなストーリー展開。そして相棒ファンは観なければ次のシリーズが楽しめないだろうと思われるストーリー展開。これはずるい。ファンは観るべし。ファンじゃない方はまずは普通にTVシリーズを。劇場版はTVシリーズファンのための作品なので。