第10回「フリーソフト」(1998/04/04)
何をするにしても、お金が掛かるのがコンピュータである。年間○十万円が吹っ飛んでいくのに、物欲には限りがない。物理的なもの、いわゆるハードウェアは仕方がないとして、ソフトウェアに関しては、なまじ実体がないだけに金を掛けるのが馬鹿馬鹿しくなることも多い。
フリーソフトがなければ、僕の今の環境は有り得ない。「スタートアップ」に登録してあるだけでも、AL-MAIL32(学術関係者は無料)、ICQ、Notice、IP Messenger、ExTrayClockとある。更にHttpdがサービスで走っている。
ログインして最初にすることはAL-MAIL32でのメール確認。その裏でWWWCを立ち上げWebを巡回してもらう。BGMが欲しくなったらUnreal PlayerでMP3を再生する。MIDIならTMIDI。画像を見るならGVとIrfan Viewで決まり。HTMLは自家製エディタを使用、壁紙にはCalen32の書いたカレンダーが貼ってある……。
フリーソフトの利点は、ユーザー本位である、ということに尽きる。欲しいと思ったものは、まずあると思って間違いない。特にWindows95やWindowsNTは、OSが提供するアプリケーションの貧弱さがこの状況を好転させているとも言える。そこまで考えてゲイツ君はOSを出荷しているんだね、偉いね。そんな訳で僕は今では、フリーソフトを使うことが前提となってしまった。市販のソフトは、フリーソフトがなかったときに買うことにしている。
最近の市販ソフトは軒並み肥大化、多機能化に進んでいる。僕が時代に逆行しているのかも知れないが、十徳ナイフのような統合型ソフトがあっても、フリーソフト10本で同等の機能を享受できるのであれば、僕は迷わずフリーソフトを選ぶだろう。逆にソフトウェア自体に、十徳ナイフのような雑多な便利さを求めてはいない。機能毎に一つずつソフトを動かしていた方が僕には楽だ。
ワープロソフトにブラウザが付いてきたりした頃(1996年?)から、「ひょっとして、騙されているのでは?」と思うようになった。バージョンアップのたびに新しいバグが見つかったり、(貧乏人にとっては)酷な環境を要求したり、とにかくプログラムが大きくなるのが許せなかった。フリーソフトは、確かに肥大化していくソフトも多い(AL-MAILとかね)が、486の640x480、256色環境でも動くという点で評価できる。ハードディスクの空きが30MB切っても安心して導入できる。いかにモジュールを小さくするか、なんて考えられているとむしろプロ意識を感じてしまったりね。
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