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第11回「はぢめて」(1998/06/12)

 実に2ヶ月ぶりの更新である。公私共に忙しく、コンピュータの前に座ることもままならなかった。自分はもう、コンピュータ以外の分野に何時間も費やすことはないだろうとタカを括っていたら、こんなありさまである。野村に何が起こったのかはさておいて。

 春になるとコンピュータを新規購入する人が増える。コンピュータは今や社会的にステータスとなりえているので、これは仕方がない現象ともいえる。で、この時期パソコン・ビギナーが量産されるわけだ。
 コンピュータのよしなしごとを問われて、何が答えづらいのかといえば、コンピュータは「目に見えないところでものすごい仕事をしている」から困る。「メモリが多いと早いんですよね?」と聞かれて、「メモリが何をしている部品か知っている?」と聞くと「いいえ」と答えるからややこしい。
 単語が難しい上に乱立しているのも問題がある。あるビギナーくんが「ハード」は「ハードディスク」の略だと信じきって僕と何時間も話をしていたこともある。「このパソコン、起動音が出ないんだよ、MIDIにスピーカーがないから」とか言われても困る。まず、単語の訂正から始めなければならない。
 FAQで傑作だったのは「インターネットとネットスケープと電子メールってどう違うの?」という質問。「ホームページとインターネットってどう違うの?」という質問も多い。ああ、こういう人たちがHTMLメールを書いて送ってよこしたりするんだろうなー、と妙に納得できたから不思議だ。ShiftJISのメールだって増えるわ、そりゃ。
 これもFAQだが「メモリってなに?」と聞かれたとき、僕は未だにその人に「メモリ」というものを100%理解させてあげられる自信がない。「OSってなに?」と聞かれたときも同様。こういう質問を万人に受け入れられるような回答で示すことができたら、それだけで本を書けると思う。頭で分かっていても、人に伝えるのは難しいものもあるのだ、世の中には。

 何が悔しいといって、新しいマシンは大抵自分のマシンより性能がいいことだ。嫉妬してしまう。
 あまりに悔しいので、今、このページは友人の買ったばかりのマシンで書いている。

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