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第24回「学生の自由と権利」(1999/11/24)

 一番、社会に貢献していないくせに消費の多い世代、学生。そう、僕は学生だ。鞄から取り出したる学生証によって、僕は「学割」を手に入れることができる。
 学生が一番金を持っている、なんていう人もいる。確かに昔の学生よりは金持ちだと思う。アルバイトをすれば車が持てちゃうくらいだから、まともに働いていない割には金持ちとも言える。でもね、でもね、それは一部の学生っすよ。僕は月々の収入が1万円程度で、残りの生活費は仕送りに頼っていて、たまに大きなバイト代が入るとそれを全額パソコンにつぎ込んでいるだけなんすよ。
 こんな僕には「学割」。そうでもしなければ買えないくらいコンピュータ・ソフトは高い。ほとんどの作業をフリーソフトに依存している僕でも、いくつかのソフトは買っておかなくてはならない。OSなんかは最たる例で、例えフリーのUNIX系OSを使うとしても、専用線にでも繋がっていない限り、CD−ROMからインストールする方が経済的だ。Visual C++なんかは、「学割」でなければ買えないくらい高いし、CD−ROMがないととてもじゃないが使い物にならない。パッケージにはCD−ROMが2枚も入っているんだから。容量デカすぎ。
 で、僕は意を決して学生証を手に買い物へ向かう。当然、平日に買い物に向かう。これも学生の特権で、特に僕のような優秀な学生は、単位が足りているから出なくてもよい時間帯とか、出ても単位が取れそうにない時間帯とか、出る気がなくなった時間帯に買い物をすることが可能だ。
 そんな時間帯に買い物に行くと、同類たち、すなわち学生やら浪人生やら自由人たちがショップをうろついている。社会に貢献していないような気になってくる。ショップの店員も心得たもので、これら自由の民には営業攻撃をしない。しても意味がない。自由の民は時間を持て余しているから、休日に買い物をする一般の民と違って妙に知識が多い。自由の民は店員とのウィットに富んだ会話なんてものは要求しないで、商品と値札だけを見てまわる。一円でも安いものを探すために。そのためなら2時間でも3時間でもショップを巡る。
 学生はインターネットでも特権的な存在である。主要大学を繋いだ専用線の速さを味わってしまうと、ダイヤルアップは時代遅れのデバイスに感じられるほどだ。そして、この専用線は学術目的において無料で使用する権利を、我々学生は与えられている。使い放題、やり放題。ひやっほう。で、その分の使用料は大学側の負担となる。
 納税者の皆様に言い訳いたしますが、あくまで学術目的ですよ、ええ。東風荘やったり、悪いものをダウンロードしてきたり、性欲の対象にするためじゃないんです。本当ですよ、いやだなー信じてくださいよ。

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