戻る 音楽の日々
0
前へ

ENIGMA「The Screen Behind The Mirror」の巻(2000/01/17)

 ENIGMAの新作である。日本先行発売というのが気に入らないが、まあ仕方がない。早速買ってきた。日本人は新しモノ好きだからなー、きっと世界中のどこよりも売れるんだろうなー、とか思いつつも買った。
 でもENIGMAの人気は今ではそんなに高くないようだ。ちょっと期間が空いたからかもしれないが、もう扱いが小さくなっている。洋楽の棚にあるのはいいとして、ヒーリング特集とかやっていた時代の名残からか、イージーリスニングとか環境音楽の近くに置かれるのはどうかと思うな。ENIGMAのジャンルは、テクノだろう、普通。
 さて早速聴いてみることにする。一曲目はいつも通り、ENIGMAのテーマともなったフレーズを使って静かに始まる。もうお約束ね。これやっとかないと落ち付かないんだろうね。マイケル・クレトゥもENIGMAばっかりじゃないから、「ENIGMAなんだから、このフレーズ入れましょう」って入れて、「おー、これこれ、やっぱこうでなくちゃ」とか思っているんだろう。
 んでいつも通り、曲間までびっちりと音で埋め尽くされたアルバムだった。前作からかなりリズム・パターンが激しくなってきているが、今回はサンプリングされたオーケストラっぽいフレーズもかなり激しい。逆に宗教色というかオリエンタリズムばりばりなフレーズは減った。一世を風靡したグレゴリオ聖歌ネタやモンゴル系フレーズも今回はなし。雰囲気としては前作に近いので、「2」の「Return To Innocence」しか好きじゃないって方は残念でした。僕としては、これは予想通りの展開で、やっぱりENIGMAはこうでなくちゃ、と再認識したくらいなもんだ。
 別の媒体で、「テクノは死んだなー」ってなことを言っている僕であるが、ENIGMAはテクノであるから、やっぱりテクノも完全に死に絶えたわけじゃないんだな、と一安心。まだまだ手法としてのテクノも手段としてのテクノもしっかりと残っている。中途半端ダンス系ハウス系テクノもどきにはまっているオニーチャン、オネーチャンたちに説教してやりたくなるくらいだ。ENIGMA聴け。

次へ

(C)Copyright Nomura Masayuki all rights reserved.