第4回「電源」(1997/10/18)
壁のソケットが足りなくなって困ったことは、誰にでもあるだろう。僕もそうだ。電源タップやら三つ口ソケットやらを使って場をしのぐわけだが、今度は電圧が気になって困る。
モニター、本体、周辺機器。コンピュータは単体で動くものではないから、どうしても電源がたくさんいる。人によっては、同時にテレビを付けているかも知れない。コンポが鳴っているかも知れない。電子レンジを使おうものなら、それはまさに挑戦と呼べる行為だ。
コンピュータは特に、電源が途中で切れると厄介なものだ。停電が起こったときの狼狽ぶりは、トイレで紙がないのに気づいたそれに匹敵するかも知れない。貧乏人に、無停電電源装置などという高価な商品を買う余裕はなく、ただただ失われたデータの重さを痛感するばかりだ。
僕は自分のマシンを学校で使っている。これは非常に恵まれた環境であることは自明である。電気が使い放題で、しかも容量が大きいからだ。ただ、やはり欲しいところにソケットが来ていない。当然タップで回してくるわけだが、今度はタップの許容電流が気になってくる。ことタップは溶ける心配があり危険だ。まあ最近は、大容量のものが多く出ているので心配はなくなったが、それでもレーザープリンタと一緒のタップに挿したくない、とか考えてしまう。
学校の研究会には何台ものマシンがある。中にはSGI(シリコングラフィック社)マシンもあり、相当な電気量を使っている筈だ。国民皆さんの税金からまかなっていると思うと頭の下がる思いである。ごめんなさい。大事に使います。
さて、一般の方にお勧めする電源対策が一つある。ノートパソコンにするのだ。ノートパソコンはバッテリで動くように設計されているから、普段はソケットから電源を取って動かしていても、いざ停電となったらマシンが自動的にバッテリに切り替えてくれる。つまり無停電電源装置が内臓されているわけだ。
また、ノートパソコンは電源をACアダプタを介して取ってくるので、雷で過電流(雷が落ちると時によってはものすごい電流が流れ込んでしまう)が起こってもACアダプタが壊れるだけで、ノートパソコンに被害は及ばない筈だ。
コンセントの数でお悩みの自作機ユーザー様には、雑誌等で紹介されている、本体背面のディスプレイ用ソケットに付ける4つ口ソケットがお勧め。見た目のユニークさが馬鹿馬鹿しくていい。ただ、千円を超えていたことと、ちょっと硬くて差し込み憎いところがマイナス材料だ。
ミドルタワー以上の大きさの筐体を使っている人は、CD-Rの作成とかサーバーにしているとか以外なら恐らく、筐体の電源に余裕がある筈だ。そんな人には是非、本体の電源を使うことをお勧めする。実際に僕のマシンは本体から15inchモニタ、外付けMOドライブの電源を供給し、内蔵しているものでもファンを一つ増やしたりしているが、何の問題も起きていない。何といっても、電源回りが本体の電源ケーブル一本のみというシンプルさがいい。本体の電源を入れると全部の電源が入るという格好良さ!
ところで電源と切っても切り離せないのが熱である。特に何かしらの内蔵を考えている方はご注意を。電気を食うものほど熱を発するので、くれぐれも内蔵しすぎないように。
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