これからお話することは、極めて極秘に入手した情報であり、これが世に知れたらコンピュータ業界のみならず、人類の文化・文明の発展に影響を及ぼしかねないことを、あらかじめ断っておこう。
さて。
マンマシンインターフェイスの中でも、今もっともポピュラーなのはマウスであるといえよう。マウスはその単純明解にして、奥の深いところが良い。素人にもすぐに操れるという手軽さの割に、マウスの球の位置が手のどの部分にあると良いのか、といった人間工学の粋が、あのとぼけたプラスチックケースの中に詰まっている。
今日は、マウスがどんな進化をこれから迎えていくのか、というお話である。
マッキントッシュのマウスはボタンが1つであることは有名である。対してDOS系のマシンは2つ。UNIXのX端末や、最近のWindowsマシンは3つボタンのマウスを備えるようになってきている。そう、ボタンの数が増えてきているのだ。
これはジョイスティックの歴史上でも起こった、いわば進化を証明する重要なファクターである。かつて、ファミコンやセガ・マークIIIのコントローラーのボタンは2つしかなかった。それが、今やセガ・サターンで6つ、プレイステーションで8つに増えている。
いわれてみれば、キーボードもWinwowxキーが加わって106が109に変わったりしていた。
法則1:ボタンは増えていく
ある筋の情報によれば、理論上ではあと4〜5年以内にマウスのボタンは8つになるそうである。すなわち、今の3ボタン(右・真ん中・左)に、右横、左横、手首の辺り、親指の腹のところ、ケーブルの両隣の5つが加わるのだ。
増えていくのはボタンばかりではない。今年、Micro$oft社が出した「インテリホイール」は皆さんご承知の筈である。そう、あれは縦スクロールを意識した構造をとっている。ところがすでにMicro$oft社には、「インテリホイールを横に動くようにして欲しい」との声が殺到し、一説によるとWindows98の開発を遅らす要因になっているという。インテリホイールが横に動くようになる日も近いだろう。だが、そうなれば「斜めに動かしたい」という欲求が生まれるのも自明の理である
そう、インテリホイールはあと2年と待たずして全方向に動くことができるようになるであろう。そのためには、球体の形状をとらなくてはならない。そう、次の時代のマウスには、「トラックボール」が標準で装備されるであろう。ハイブリッドマウスの誕生である。
これはまったく未確認な情報であるが、ジョイスティックの業界では、「振動装置」の組み込みが進んでいるが、これをマウスにも組み込もうと、大手ワープロメーカーがシンガポールの企業と研究しているらしい。それによれば、このマウスはPHSなどに使われている小型モーターを使い、軽量化、小型化を進めているという。
「振動」使い道としてはゲームは無論、メール到着、コンパイル終了、404サーバーエラー時、PhotoshopPluginのインストール時などなどの使い方が考えられる。応用すればより快適なOSインターフェィスを作ることが可能だ。
開発には苦労が付き物である。ゲーム機用に開発された「ジョイスティック」の中にはハイセンスなものもたくさんあり、マウス業界でもすぐにその商品を研究される。が、バーチャロンのツインスティックにインスパイヤされて設計された「ツインマウス」はどうやら発売のめどがつかない。開発担当者の話によれば、主にフリーセル実行時やTELNET時に威力を発揮するらしいのだが、未だにOS2上でしか安定動作しないらしい。残念である。