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第34回「異国の事情」(2000/03/13)

 なぜか地雷を踏みにカンボジアへ行くことになってしまった。
 お陰で10日間もコンピュータを触らなかった。結構自分にとって快挙であったと思う。
 DOS/V日記らしく、今回立ち寄ったタイとカンボジアのPC事情について記しておこう。海外旅行の際の参考になるとは思えないが。

 タイはバンコクが首都。ゲストハウスが多くて欧米のバックパッカー達が多いのがカオサン通りである。お陰でこの近辺を歩いているとトゥクトゥクの運転手なんかが「カオサン?」と声を掛けてくる。市内バスが一律3.5バーツ(1バーツ3.3円くらい)なのでバスに乗った方が便利だったりする。
 で、このカオサン通りは英語だらけ。日本語もちらほら見かけられる。ひしめき合う看板を眺めていると、「INTERNET」、「E-MAIL」、「ICQ」、「IRC」という文字がよく見られる。つまりインターネット屋さん、1時間あたり幾らでインターネットをさせてあげるよ、という商売だ。でもICQってどういうことなんだろうか。自分のマシンでもないのにICQする人がいるってことか。
 で、この手の店の一つにこんな張り紙もあった。「日本語フォントあります」。なるほど。でも日本人の利用者はほとんど見かけなかったし、僕も別に海外にまで来てWWWを見る気にもならなかったし、大体こんなところでメールを読んだらセキュリティをなんもあったものじゃないと思うんだが。

 旅の目的はタイではなくカンボジアだったので、タイはそれほど長居せずに早々にプノンペンに向かった。プノンペンはいい町だった。タイではひどい目にあいまくったから余計にカンボジアの人々の暖かさが心に滲んだ。「カンボジアは敬虔な仏教の国なので、みんなが親切なんだなー」と言ったら同行者が「タイも仏教国だ」と指摘された。
 プノンペンはカンボジアの首都だが、残念ながら国全体が内戦の影響で立ち遅れているために首都もそれほど立派とは言い難い。だが、復興のエネルギーはすさまじい。大通り沿いには携帯電話の店が建ち並び、マーケット(仮設店舗が数百もひしめき合うように建っているような感じ)にはタイなどを経由して輸入された商品が山のように詰まれて売られていた。
 マーケット近くの通りでタイで見たようなインターネット屋を見かけることができる。これも観光客目当てかと思ったらちょっと違う。プノンペンでは「COLOR SCAN, PRINT」という看板が多い。で、店の中をのぞくと(カンボジアの店にはドアがない)大型のカラーレーザープリンターなどがある。どうやらDTPなどのサービスもやっているようだ。で、マーケットなどもそうなのだがカンボジアでは同業種の店が軒を連ねるのが普通。その通りはさながらDTP通りといった雰囲気だった。
 マーケットではCD屋さんに行くとコンピュータソフトのCD-ROMにお目にかかれる。CDとVideo-CDとCD-ROMは同じ店が扱うのが普通。で、国内の音楽CD以外は全て違法コピーもの。ショーケースの隅にはCD-Rメディアが置いてあったから間違いない。Video-CDでは「アンナと王様」といった最新すぎる最新の映画が2枚組になっているし、MP3がCD-ROMとして売られていたりとやりたい放題。値段は2$〜2.5$。カンボジアではUS$と国の貨幣であるリエルの両方が使える(1$は3800リエル、100リエル以下の貨幣を見ることはない)。ちなみに映画などのタイトルをVHSなどで売っている店は見かけなかった。
 同じくマーケットでPS用のゲームソフトを見かけることもできる。当然だがパッケージから明らかに違法ものと分かる。本体も売られていたがこれも輸入品のようで、どうやらカンボジアでは正式に販売されていないようだった。こうでもしなければ手に入らないのかと思うとちょっと同情してしまう。
 マーケットではポットやジャー、扇風機といった家電品も売られている。MITSUMARUは大手企業らしい。他にはMEC、NATIONNAL、InterNational、PASONIC、MITSUSHITA、SANKYOなどのメーカーがあった。当然これらも輸入品なのだが、どこの国がこんな楽しいメーカー名を生み出しているのか。

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